8日午前の日経平均株価は続伸し、前引けは前日比318円45銭(1.12%)高の2万8774円05銭だった。
きょう前場は主力株を中心に幅広く買いが入り、日経平均株価は大幅続伸した。
前日の欧米株市場が総じて大幅高に買われたことを受け、リスクを取る動きが活発化している。新型コロナウイルスの変異型「オミクロン型」の感染が拡大するなかも、重症化リスクが低いとの見方が強まり、経済へのマイナスの影響は限られるとの見方が全体強気の地合いを後押ししている。
米株価指数先物が堅調な値動きを示していることも買い安心感につながっているようだ。ただ、値上がり銘柄数は全体の55%にとどまっており、前日のような全面高の様相とはなっていない。
オミクロン型を巡っては7日、バイデン米政権のファウチ首席医療顧問が従来型より重症化しにくい可能性があると指摘。初期データに基づいた見解でリスクの検証にはまだ時間がかかるものの、大幅に経済活動が抑制されて景気に深刻な影響を与えるとの懸念はいったん後退した。東京株式市場でも「オミクロン型の発見をきっかけにした売りがもともと過剰反応だった面もあり、買い戻しが進んだ」
7日の米株式市場ではナスダック総合株価指数が前日比3%高と大幅に上昇しており、東京株式市場でもハイテク株をはじめグロース(成長)株への買いが目立った。東エレクやエムスリーなど値がさ株が上昇して日経平均を押し上げた。
一方、日経平均が200日移動平均(7日時点、2万8909円)の水準に近づくと、戻り待ちの売りも出た。ひとまず過度な懸念は後退したが、オミクロン型の特性を見極めるまでは積極的に上値を追えないとの雰囲気も根強い。
JPX日経インデックス400と東証株価指数(TOPIX)は続伸した。
前引け時点の東証1部の売買代金は概算で1兆5521億円、売買高は5億9788万株だった。東証1部の値上がり銘柄数は1199、値下がりは844、変わらずは139だった。
業種別株価指数(33業種)は精密機器、鉱業、その他製品などが上昇。下落は海運業、不動産業、倉庫・運輸関連業など。
個別では、売買代金トップのソフトバンクグループが売り買い拮抗となったが、レーザーテックや東京エレクトロンなどの半導体製造装置大手は買いが優勢。任天堂も高い。ソニーグループ、キーエンスなども上昇した。NCホールディングス、ZHD、楽天グループ、サイバーが買われ、中外製薬やオムロンが買われている。
半面、日本郵船、川崎汽船が下落。トヨタ自動車、日立製作所なども冴えない。三井不動産、住友不も売られた。日本ハウスホールディングスが急落、ファーマフーズも値を下げた。
東証2部株価指数は前日比39.16ポイント高の7511.38ポイントと続伸した。
出来高は1億7413万株。値上がり銘柄数は243、値下がり銘柄数は135となった。
個別ではヨネックスが年初来高値を更新。日本エコシステム、天昇電気工業、コメ兵ホールディングス、Abalance、ダイトーケミックスが買われた。
一方、ギグワークス、エスビー食品、トーヨーアサノ、フレンドリーが年初来安値を更新。理経、カンダホールディングス、マーチャント・バンカーズ、西菱電機、Oak キャピタルが売られた。
