243円高、7月中旬以来の高値圏に

3日午前の日経平均株価は5日続伸し、前日比243円84銭(0.85%)高の2万8787円35銭で終えた。上げ幅は一時300円に迫った。
東証株価指数(TOPIX)も続伸し、3月29日(2005.75)以来、約5カ月ぶりに取引時間中として一時2000を上回った。
米雇用関連指標が堅調で前日のNダウが4日ぶりに反発したことも追い風となり、東京株式市場でも投資家が運用リスクを取りやすくなった。買い優勢の展開。鉄鋼や石油、非鉄、機械などの景気敏感株が値を上げた。
 
新型コロナウイルスのワクチン接種の進展を前提に、政府が経済活動の制限緩和に向けた工程案を作成しているとの一部報道を手掛かりに、経済正常化への期待も出て買い安心感が広がった。加藤勝信官房長官は3日午前の記者会見で、ワクチンの接種が進んだ後の社会規制緩和のあり方について「本日新型コロナウイルス感染症対策分科会が開催され、こうしたことを専門家が議論する」と説明した。
 
菅義偉首相が自民党総裁選への出馬を見送る意向を固めたと報じられ、前引け後に日経平均先物が上昇し一時2万9000円を上回った。
 
市場からは「日経平均は8月まで取引時間中の高値を切り下げて推移していた。9月に入って8月の高値(12日、2万8279円)を上回って推移していることで上値を試しやすく、買い材料に素直に反応しやすい環境だった」との声があった。
「本筋は米国での景気減速懸念が後退し、景気敏感株としての日本株に外国人買いが流入しているのだろう。国内で政策期待が強まり、ワクチン接種が進んだ段階で制限緩和を容認するとのニュースもプラスだ」との声が聞かれた
 
JPX日経インデックス400と東証株価指数(TOPIX)は続伸した。
 
前引け時点の東証1部の売買代金は概算で1兆2823億円、売買高は4億6952万株だった。東証1部の値上がり銘柄数は1556と、全体の約7割を占めた。値下がりは505、変わらずは126銘柄だった。
 
 


業種別株価指数(33業種)は鉄鋼、石油・石炭製品、医薬品などが上昇。下落は精密機器だけだった。
 
個別では、売買代金トップのレーザーテックが6%の上昇で、取引時間中の上場来高値を大幅に更新。信越化も買われた。外資系証券の強気の投資判断が観測された鉄鋼株も上げが目立ち、JFEが4%超、日本製鉄が3%超上昇している。その他、郵船、ソフトバンクG、トヨタ自が買われている。
 
一方、ファストリが軟調。JR西日本も安かった。任天堂が小安く、8月の国内ユニクロ既存店売上が大幅減収となったファーストリテもさえない。また、利益確定売りがかさんだベイカレント、決算発表のアインHDなどが東証1部下落率上位に顔を出している。
 
東証2部株価指数は前日比14.85ポイント高の7697.22ポイントと反発した。
出来高は7209万株。値上がり銘柄数は219、値下がり銘柄数は148となった。
 
個別では、東京コスモス電機、ユニバンス、カクヤスグループ、青山財産ネットワークス、東海リースが年初来高値を更新。大運、川口化学工業、サイオス、神鋼環境ソリューション、相模ゴム工業が買われた。
 
一方、ジュンテンドーが年初来安値を更新。FRACTALE、コメ兵ホールディングス、鈴与シンワート、スーパーバッグ、グローバルダイニングが売られた。

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