6日午前の日経平均株価は大幅に続伸し、前週末比510円06銭高の2万9638円17銭だった。日経平均は一時2万9692円まで上げ、取引時間中としては4月19日以来約5カ月ぶりの高水準となった。
きょう前場の主力株をはじめ広範囲に買いの勢いが強まり、日経平均株価は500円を超える上昇を示した。自民党総裁選を前に各候補から新たな経済対策のアナウンス効果が見込めることへの期待が株高を後押しする格好となっている。新型コロナウイルス感染者数の拡大が東京都でピークアウト感を示していることもマーケット心理を強気に傾けている。アジア株市場が総じて堅調な値動きを示していることもポジティブに捉えられているようだ。
前週末の菅義偉首相の退陣表明をきっかけに、国内政治に期待した買いが続いた。自民党総裁選を前に立候補予定者から打ち出される経済対策への思惑から日経平均先物へ断続的な買いが入り、現物株を押し上げた。
市場からは「月の最終営業日に下げる『月末安』の経験則が8月は当てはまらず、相場の地合いが好転していたところに退陣表明が飛び込み、投資家心理がさらに上向いた」との声があった。新たな自民党総裁で衆院選を迎えることになり、自民党の議席数の減少が抑えられるとの安心感もあるという。
東京都や神奈川県などに発令中の新型コロナウイルス対応の緊急事態宣言は12日までの期限が延長されるとの見方が多い。もっとも、東京都の新型コロナの新規感染者数がピークアウト感を強めていることもあって、感染拡大に対する過度な警戒感は後退している。
JPX日経インデックス400と東証株価指数(TOPIX)はともに続伸した。TOPIXは一時2042.82と、取引時間中としては1990年以来31年ぶりの高水準となった。
前引け時点の東証1部の売買代金は概算で1兆5925億円、売買高は6億2488万株だった。東証1部の値上がり銘柄数は1289と、全体の6割弱を占めた。値下がりは788、変わらずは109だった。
個別では、出資先企業が第三者割当増資を実施すると発表したgumiが急騰し、先日の大幅増配が引き続き材料視された明和産業と並んで値上がり率上位に並んでいる。また、今期大幅増益見通しを示した日駐も大幅に上昇。主力どころでは、商船三井や日本郵船などの大手海運株が急伸で直近高値を更新。東邦鉛や日本取引所が高かった。再生可能エネルギー関連株が再び動意づいており、レノバ、テスHD、イーレックス、新興市場ではウエストHDなどが急伸している。
一方、JR西日本が冴えず、関西電や中部電が売られた。通期計画を上方修正も第2四半期(5-7月)実績を含め物足りないと捉えられたポールHDなどがそれぞれ急落。投資ファンドによる株式買い増しなどの思惑で前週に賑わっていた東京機は利益確定売りで値下がり率上位に入っている。
東証2部株価指数は前週末比26.60ポイント高の7739.44ポイントと続伸した。
値上がり銘柄数は247、値下がり銘柄数は137となった。
個別では、ダイショー、オーベクス、イムラ封筒、神島化学工業、ダイトーケミックスなど10銘柄が年初来高値を更新。光陽社、タクミナ、アゼアス、フライトホールディングス、岡本工作機械製作所が買われた。
一方、クロスプラスが一時ストップ安と急落した。マナックなど2銘柄は年初来安値を更新。ユニバンス、ミズホメディー、レオクラン、FRACTALE、さいか屋が売られた。
