28日午前の日経平均株価は続落し、午前終値は前日比100円41銭安の3万0139円65銭だった。
前日の米株式市場で主要な半導体関連銘柄で構成するフィラデルフィア半導体株指数(SOX)が下げたことを受け、東京株式市場でも値がさの半導体関連銘柄の下げが目立った。グロース(成長)株の一部も売られ、日経平均の下げ幅は200円を超える場面があった。海運株は前日に続いて大幅安となった。一巡後は前引けにかけて下げ渋りの動きとなった。
市場からは「配当再投資への期待はあるが、米長期金利の上昇に米ハイテク株安が重しになっている。総裁選や、緊急事態宣言の全面解除見通しについてはほぼ織り込んでおり、改めて上値の重さが意識されてくるだろう」との声が聞かれた。
ただ、下値では値ごろ感が出たとみられた銘柄には買いが入った。外国為替市場では円安・ドル高が進み、自動車など輸出関連株の一角も買われた。国内の経済活動が正常化に向かうとの見方から、百貨店や鉄道の一部も上昇した。
JPX日経インデックス400は続落。東証株価指数(TOPIX)も続落し、0.48%安だった。
前引け時点の東証1部の売買代金は概算で1兆7534億円、売買高は6億8991万株だった。東証1部の値下がり銘柄数は1440と、全体の6割超を占めた。値上がりは657、変わらずは89だった。
業種別株価指数(33業種)は海運業、精密機器、その他製品などが下落。上昇は鉱業、輸送用機器、繊維製品など。
個別では、日本郵船、川崎汽船など売買代金上位の海運株の下げが目立つ。キーエンスが大幅安となったほか、レーザーテック、東京エレクトロンなど半導体製造装置関連株の下げも目立つ。任天堂、村田製作所、エムスリー、サイバー、キッコマンなども売られた。サカイオーベックス、廣済堂も急落した。井筒屋も利食われた。
半面、ソフトバンクグループがしっかり、トヨタ自動車も堅調。ファーストリテイリングも買いが優勢。日揮HDやマツダ、エーザイは上昇した。
東証2部株価指数は前日比13.43ポイント安の7807.20ポイントと3日ぶり反落した。
出来高は6734万株。値上がり銘柄数は138、値下がり銘柄数は236となった。
個別では、玉井商船、さいか屋、倉庫精練、大運、内海造船が売られた。
一方、ニッチツがストップ高。ニッセイ、ヤシマキザイは一時ストップ高と値を飛ばした。アヲハタ、クリヤマホールディングス、キョウデン、カクヤスグループ、フジコピアンなど11銘柄は年初来高値を更新。理経、Jトラスト、SIG、日本鋳造、タクミナが買われた。
