29日の日経平均株価は大幅に3日続落。終値は前日比639円安の2万9544円で今月3日以来の安値となった。
前日の米国株が急落した流れを受けて朝から500円を超える下げでスタート。本日は9月の配当落日で配当分の約180円はゲタを外されさらに安く見える格好に。米国では金利上昇、原油高などインフレ懸念が強まっており目先は株式を選好しにくい状況だ。注目の自民総裁選は派閥の論理が働く結果に自民への失望感がにじみ出て下げ幅を広げる場面があった。
明日30日の日経平均株価は、神経質な展開か。
米金利動向や米株価動向が引き続き注目される。中国不動産大手、中国恒大集団の債務問題や電力不足の深刻化から中国景気の先行きへの警戒感が根強いなか、重要経済指標の結果次第では不安心理が高まることも想定される。
一方、29日の自民党総裁選は決戦投票の結果、岸田文雄前政務調査会長が新総裁に選出された。岸田関連銘柄が改めて物色される可能性はあるが、市場では「ほぼ織り込み済み」(国内投信)との読みもあった。また、派閥の力学で改革派の河野太郎規制改革相が破れたことで、衆院選への影響を警戒する見方も出ている。
8月に続いて9月も上昇となった場合には、買いに勢いがつきやすくなる。終値(2万9544円)では25日線(2万9405円、29日時点)を上回り、ローソク足でも下ヒゲをつけているだけに、きょうでいったんの売りが出尽くした可能性はある。
新しい政治がスタートするタイミングで、株式市場も調整一巡から上昇再開の展開に期待したい。
中核政策は、「デジタル田園都市構想」で、地方のデジタル化や、遠隔勤務、教育・医療改革が柱。
岸田氏は、経口治療薬の年内開発や認可申請を後押しすると発言した。
・政策4本柱
①医療難民ゼロ
②ステイホーム可能な経済対策
③電子的ワクチン接種証明の活用と検査の無料化・拡充
④感染症有事対応の抜本的強化
■上値・下値テクニカル・ポイント(29日現在)
31523.92 ボリンジャー:+2σ(25日)
30939.03 ボリンジャー:+2σ(13週)
30632.00 ボリンジャー:+2σ(26週)
30464.72 ボリンジャー:+1σ(25日)
30447.37 新値三本足陽転値
29975.78 均衡表転換線(日足)
29949.37 6日移動平均線
29739.89 ボリンジャー:+1σ(13週)
29699.23 ボリンジャー:+1σ(26週)
29544.29 ★日経平均株価29日終値
29405.51 25日移動平均線
28994.44 均衡表基準線(日足)
28875.30 均衡表基準線(週足)
28875.30 均衡表転換線(週足)
28766.45 26週移動平均線
28645.36 200日移動平均線
28619.85 75日移動平均線
28540.75 13週移動平均線
28346.31 ボリンジャー:-1σ(25日)
28217.83 均衡表雲上限(日足)
28171.52 均衡表雲上限(週足)
27833.68 ボリンジャー:-1σ(26週)
ローソク足は下向きの5日移動平均線を下放れ、マドを空けて下落。短い陰線の胴体部分から伸びた下ヒゲは25日線を下回った。
東証1部の騰落レシオ(25日ベース)は132.85%(昨日150.44%)に急低下したが、依然として過熱ラインの130%を上回っており、下押し圧力を残した格好。
一方、RSI(14日ベース)は45.10%に低下し、14日の92.15%をピークとする下降基調が続いている。RSIの周期性を踏まえると今後は中立圏下限の40%を下回る可能性が意識され、RSIの低下基調とともに株価が水準を切り下げるリスクに留意したい。
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