NYダウ323ドル安、金利上昇や債務問題を警戒

 

4日のNYダウ工業株30種平均は反落し、前週末比323ドル54セント安の3万4002ドル92セントで終えた。
 
米議会では、連邦政府の借り入れ限度を定めた債務上限の引き上げをめぐり、与野党の対立が激化。対処するための法案可決のめどが立っていない。バイデン大統領は、与野党が合意できなければ、米経済に深刻な打撃をもたらすと警告した。バイデン政権が打ち出した大型経済対策に対しても、野党共和党が反発している。
 
朝方に米長期金利が上昇する場面があり、PER(株価収益率)が高く、金利上昇時に売られやすい主力ハイテク株が下げを主導した。中国不動産大手、中国恒大集団を巡る不透明感や米連邦政府の債務上限問題もくすぶり、投資家のリスク回避姿勢が強まった。
 
中国恒大については4日に香港取引所が株式の売買を停止すると発表した。中国経済の先行き不透明感や世界の金融市場への悪影響などが意識されて日欧の株式相場が下げ、米株市場でもリスク資産を手じまう動きにつながった。
 
米長期金利が朝方に一時1.5%台に上昇し、金利上昇への警戒感が改めて意識された。ハイテク株の持ち高を一段と縮小する動きにつながり、スマートフォンのアップルやソフトウエアのマイクロソフトが下げた。ダウ平均の構成銘柄以外では交流サイトのフェイスブックの下げ(5%安)も目立った。同社が偽情報対策などで会社に不都合な調査結果を隠していたと元社員が実名で告発、当局の規制が強まるとの思惑が広がった。ネット通販のアマゾン・ドット・コムも3%安で終え、主力ハイテク株は総崩れだった。
 
ダウ平均は500ドルあまり下げる場面があった。米原油先物相場が約7年ぶりの高値を付け、インフレ警戒につながった。サプライチェーンの(供給網)混乱や人件費増に加え、エネルギー価格の上昇が企業収益を圧迫する可能性がある。インフレが加速すると米連邦準備理事会(FRB)が利上げを前倒しせざるをえないとの見方から、長期金利上昇の観測も招きやすい。
 
S&P500種株価指数が昨年10月の下落局面で下値支持線となっていた100日移動平均を下回った。相場の基調に追随するファンドなどの機械的な売りが出た面もあった。
 
ナスダック総合株価指数は大幅反落し、前週末比311.212ポイント(2.1%)安の1万4255.485と、6月下旬以来の安値で終えた。
 
 
 
NYダウ工業株30種(ドル)
34,002.92-323.54
S&P500種
4,300.46-56.58
ナスダック
14,255.485-311.212
NY金(ドル/トロイオンス)
1,767.60+9.20
NY原油(ドル/バレル)
77.62±0.00
円・ドル
110.94 – 110.97-0.22

 


【シカゴ日本株先物概況】

4日のシカゴ日経平均先物は大幅続落した。12月物は前週末比1150円安の2万7900円で引けた。大阪取引所の終値を330円下回った。米政府の債務上限問題を背景に長期金利が上昇し、相対的に魅力の薄れたハイテク株が売られ、反落した。中国不動産大手、中国恒大集団を巡る不透明感や米連邦政府の債務上限問題がくすぶるなか、リスク回避の動きが強まり売り優勢となった。
 
 
シカゴ日経225先物12月限 (円建て)
27900 ( -330 )
シカゴ日経225先物12月限 (ドル建て)
27935 ( -295 )
※( )は大阪取引所終値比

【欧州株式市場】

 
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7011.01(-16.06)
4日のFTSE100種総合株価指数は3日続落した。前週末の終値に比べ16.06ポイント(0.2%)安の7011.01で引けた。構成銘柄の約7割が下落した。中国恒大集団の債務問題への懸念やアジア株の下落からリスク回避姿勢が強まり、売りが先行した。
銀行株の下落が株価指数を押し下げた一方、石油株の上昇が下値を支えた。
 
個別では、通信のBTグループが4%超下落した。スーパーマーケットのWMモリソン・スーパーマーケッツの下げも目立った。給食サービス大手コンパス・グループが2.7%安と売られた。
一方、流通大手セインズベリーが3%超上昇した。ソフトバンクグループ(SBG)傘下の投資ファンドは2日にモリソンをめぐる買収合戦に負けたものの、セインズベリーに関心を移す可能性があるとの観測が買い材料となった。原油価格の高騰を受けて石油大手BPが1.9%高、同ロイヤル・ダッチ・シェルがA株、B株ともに1.5%高と堅調だった。
 
 
 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 15036.55(-119.89)
4日のドイツ株式指数(DAX)は3日続落した。終値は前週末と比べて119.89ポイント安の1万5036.55だった。小動きで推移した後、午後に米国が下がって始まると、ドイツも売りが強まった。
 
個別では、アディダスが売られた。アナリストが株価目標と投資判断をそれぞれ引き下げたことが響いた。料理宅配大手のデリバリーヒーローは4%近く下げた。電力のRWEは買われた。
 
 
 
■フランス・パリ株価指数
CAC40 6477.66(-40.03)

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