不安定な相場展開か

 
 
週明けの日経平均株価は6日続落。終値は前週末比326円安の2万8444円で、8月31日以来、約1カ月ぶりの安値となった。
米株高を受けて朝方は270円高と勢いよく始まったが、次第に米国の債務問題や中国恒大集団の債務問題が意識され9時半以降はマイナス圏へと転落。時間外取引の米株先物が下げていることもあって下げ幅を広げる展開となってしまった。岸田内閣発足も改革期待後退で材料とならず。中国恒大集団の外債の債務不履行で不安ばかりが膨らんでいる。
 
前週末の米国市場はコロナ治療薬の緊急申請や米経済指標の改善を受けてダウ平均は500ドル近く反発した。米製薬大手メルクが新型コロナ経口薬の緊急使用許可を申請すると発表。ワクチンに次ぐコロナ対策の決め手と期待されて経済活動正常化を買う動きが広がった。9月のISM製造業景況感指数が事前予想を上回ったことも後押し要因に。ただ、政府の債務上限問題は解決しておらずどこまで買いが続くかは見通しにくい状況にある。
 
米連邦債務と中国恒大集団のダブル債務問題がネガティブに働き大幅続落となってしまった。米国の債務問題は解決のメドが立たず18日にも債務不履行を起こす可能性が。恒大問題では同社株の取引が停止され香港株が急落している。日経平均は75日移動平均線(2万8614円)をも割り込み調整が深化してしまう可能性を示唆。今週も荒れた1週間となりそうだ。
 
 
あす5日の日経平均株価は、不安定な相場展開か。
4日の日経平均株価は大幅に6営業日続落し、2万8444円(前週末比326円安)引け。
中国政府が何らかの形で処理するとみられ、悲観しすぎる必要はないだろう」との声が聞かれるが、依然リスクとして残ったままだ。中国リスクはもとより、米国の債務上限問題や、半導体不足に代表される世界的なサプライチェーンへの不安、インフレなど不透明要因は多く、買い進めにくい面がある。きょう発足の岸田新内閣についても構造改革などヘの期待が薄れ海外投資家の売りにつながっているとの読みも出ている。
 
むろん、日経平均は6連敗で合計1800円超の下落を演じたことで、外部要因が落ち着けば、リバウンド狙いの買いが入りやすい面もある。ただ、この日は、75日・200日や13週・26週の各移動平均線を相次いで下抜け、チャートは悪化。「次は52週線(2万8063円39銭)が意識される段階だ」との指摘も出ている。
 
きょうで26週線(2万8685円、4日時点、以下同じ)や13週線(2万8520円)を割り込んでしまったが、この辺りで売りが止まるか、それとも52週線(2万8063円)が控える2万8000円どころまで突っ込むのかが目先の焦点となるだろう。10月は後半から3月決算企業の上期業績の発表が控えていることを鑑みると、さすがに2万8000円近辺では下げ止まり感が出てくるだろう。
 
 
 
■上値・下値テクニカル・ポイント(4日現在)
 
29544.29  新値三本足陽転値
29544.29  25日移動平均線
29439.49  6日移動平均線
29379.10  均衡表転換線(日足)
29138.51  均衡表基準線(日足)
28875.30  均衡表転換線(週足)
28875.30  均衡表基準線(週足)
28685.82  26週移動平均線
28679.87  200日移動平均線
28638.70  ボリンジャー:-1σ(25日)
28614.51  75日移動平均線
28520.08  13週移動平均線
 
28444.89  ★日経平均株価4日終値
 
28217.83  均衡表雲上限(日足)
28171.52  均衡表雲上限(週足)
27788.22  ボリンジャー:-1σ(26週)
27733.10  ボリンジャー:-2σ(25日)
27521.79  均衡表雲下限(日足)
27363.75  ボリンジャー:-1σ(13週)
26890.62  ボリンジャー:-2σ(26週)
26827.51  ボリンジャー:-3σ(25日)
26207.42  ボリンジャー:-2σ(13週)
 
 
ローソク足は先週末に続いて大陰線で終了。先週末に下値支持線となった200日移動平均線やその下を走る75日線を下回って大引けを迎えた。ストキャスティクスは%Kが5.43%、%Dが7.08%とともに10%割れで短期的な底値到達を示唆している。
 
ただ、25日線とのマイナス乖離率は3.72%、東証1部の騰落レシオ(25日ベース)は111.49%といずれも中立圏にあって下落余地を窺わせている。
 

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