278円安と続落、米金利上昇が重荷

6日午前の日経平均株価は続落し、前日比278円06銭安の2万7544円06銭で前場を終えた。
きょう朝方は前日の米国株市場でNYダウなど主要株指数が上昇したことを受け主力株中心に幅広く買いが優勢となった。このところ日本株は下げていたため、自律反発を見込んだ買いも入り、上げ幅が300円を超える場面もあった。
その後は売り圧力が強まり日経平均はマイナス圏に沈んだ。
原油市況の上昇が顕著となっており、これが企業のコスト増加につながるとの思惑や、米長期期金利が再び上昇歩調を強めていることに対する警戒感も強い。中国不動産大手・恒大集団のデフォルトリスクに対する懸念もくすぶっている。日経平均の下げ幅は一時300円を上回った。
 
東エレクやソフトバンクグループ(SBG)など値がさのハイテク銘柄がさえず、指数を押し下げた。米株価指数先物が日本時間午前の時間外取引で軟調に推移したことも投資家心理を冷やした。原油高による日本企業のコスト増も懸念材料として意識された。
 
前日と今日とで特に何も変わっていない。株価急落を生み出した要因は何も解消されていない。中国での恒大集団をはじめとした不動産業資金繰り問題や深刻な電力不足、米連邦政府の債務上限問題などは依然くすぶる。米国の政治問題については与野党の間のチキンレースに過ぎず、長期的な波乱要因にはならないと考えるが、短期的にはテクニカル的な調整色を強めている米国株の一層の下押し圧力にはなり得るだろう。
 
そして、中国の問題については長期的な話だ。不動産業の停滞から消費減などを通じて他産業へ影響が及べば、実体経済の後退につながる恐れがある。電力不足問題も、同国の環境規制強化のほか、石炭価格の高騰、世界的な脱炭素への急速シフトに伴う構造的変化など複数の要因が絡み合っており、すぐに解決できる問題とはいえない。
 
JPX日経インデックス400と東証株価指数(TOPIX)も続落した。前引け時点の東証1部の売買代金は概算で1兆8826億円、売買高は8億3640万株だった。東証1部の値下がり銘柄数は667と、全体の約3割を占めた。値上がりは1429、変わらずは82銘柄だった。
 
 


業種別株価指数(33業種)は空運業、海運業、輸送用機器などが下落。上昇は鉱業、石油・石炭製品、パルプ・紙など。
 
個別では売買代金トップの日本郵船や川崎汽船など海運株が安く、ファーストリテイリングやファナックが下げた。トヨタ自動車、三菱自動車工業、ソニーグループも売りに押された。武田薬品工業の下げも目立つ。ラウンドワンも大幅安となっている。
 
半面、任天堂が高く、キーエンスも上昇した。原油高を背景にINPEXも高い。ダイキン工業、住友大阪セメント、太平洋セメントも買われている。タツモが大幅高となり、TSIホールディングスの上げも目立った。
 
 
東証2部株価指数は前日比20.95ポイント高の7593.07ポイントと7日ぶり反発した。
出来高は2億4067万株。値上がり銘柄数は208、値下がり銘柄数は168となった。
 
個別では、コメ兵ホールディングス、スーパーバッグが年初来高値を更新。ニッチツ、アートスパークホールディングス、鈴与シンワート、田岡化学工業、あかつき本社が買われた。
 
一方、アサヒペン、イトーヨーギョー、北越メタル、アマテイ、トーアミなど10銘柄が年初来安値を更新。レオクラン、梅の花、川口化学工業、川崎近海汽船、ぷらっとホームが売られた。

 

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