NYダウ続伸102ドル高、米債務上限めぐる懸念後退

6日のNYダウ工業株30種平均は続伸し、前日比102ドル32セント(0.3%)高の3万4416ドル99セントで終えた。野党の共和党上院が連邦政府の債務上限の一時停止を提案したと伝わり、投資家心理が改善した。このところ市場の懸念材料だった原油高が一服し、インフレ加速への警戒感が薄れたことも株式相場を支えた。
ダウ平均は下落して始まり、午前中には下げ幅が一時450ドルを超えた。ただ、午後1時台に急速に下げ渋り、その後上げに転じた。
 
米野党共和党の上院トップ、マコネル院内総務は、連邦政府の借り入れ限度を定める債務上限を12月まで拡大することを容認すると表明。債務上限をめぐっては、与野党対立によって上限の一時停止などの措置を取ることができなければ、政府の資金繰りが行き詰まり、近く米国がデフォルト(債務不履行)に陥るリスクが高まっていた。
マコネル氏はこの日発表した声明で、与党民主党が「財政調整措置」と呼ばれる特別制度を使い、「単独で債務上限関連法案を議会通過させるのに十分な時間を確保できる」と指摘。デフォルトの可能性が遠のいたことを好感し、それまでマイナス圏で推移していた主要株価指数は、そろってプラス圏に浮上した。
 
原油相場の下落も株買いを後押しした。米原油先物は6日未明に1バレル79ドル台後半まで上昇したが、日中は短期的な利益確定売りに押された。週間の在庫統計で米国の原油在庫の増加が明らかになると76ドル台まで下げ、株式市場でも過度なインフレ懸念が和らいだ。
 
朝方発表された9月のADP全米雇用リポートで非農業部門の雇用者数(政府部門を除く)は前月比56万8000人増と市場予想(42万5000人増)を上回った。ただ、市場ではインフレや供給網の混乱など「多くの景気リスクが残っている」(IGのジョシュ・マホニー氏)との見方が多く、同指標を買い材料視する動きは限られた。
 
米長期金利は1.5%台前半と前日終値並みの水準で推移し、上昇基調がひとまず収まった。長期金利が上昇すると売られやすい主力ハイテク株に押し目買いを入れる動きが出た。ソフトウエアのマイクロソフトや顧客情報管理のセールスフォース・ドットコムの上げが目立った。日用品のプロクター・アンド・ギャンブル(P&G)、飲料のコカ・コーラなどディフェンシブ株も買われ、ダウ平均を支えた。
 
ナスダック総合株価指数も続伸し、前日比68.081ポイント高の1万4501.911で終えた。GAFAM(アルファベット、アップル、フェイスブック、アマゾン・ドット・コム、マイクロソフト)は軒並み上昇。動画配信のネットフリックスと半導体のエヌビディアも高い。
 
 
NYダウ工業株30種(ドル)
34,416.99+102.32
S&P500種
4,363.55+17.83
ナスダック
14,501.911+68.081
NY金(ドル/トロイオンス)
1,761.80+0.90
NY原油(ドル/バレル)
76.94-1.99
円・ドル
111.40 – 111.43-0.27

 


【シカゴ日本株先物概況】

6日のシカゴ日経平均先物は下落した。12月物は前日比445円安の2万7730円で引けた。6日の大取終値は320円上回った。
インフレ懸念や債務不履行への警戒感に寄り付き後、下落。金融アナリストによる企業の見通し引き下げが相次いだことも失望感に繋がり、下げ幅を拡大した。膠着状態だった債務上限協議において、共和党が妥協案を提示したとの報道で警戒感が後退し、引けにかけて、上昇に転じた。

 
シカゴ日経225先物12月限 (円建て)
27730 ( +320 )
シカゴ日経225先物12月限 (ドル建て)
27765 ( +355 )
( )は大阪取引所終値比

【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 6995.87(-81.23)
6日のロンドン株式市場で、FTSE100種総合株価指数は反落した。前日の終値に比べ81.23ポイント(1.2%)安の6995.87で引けた。構成銘柄の9割超が下落した。
天然ガスなどエネルギー価格の高騰でインフレ懸念が強まり、幅広い銘柄に売りが出た。
銅相場の下落でアントファガスタを筆頭に鉱業株が安かった。石油株も売られた。
 
個別ではレジャー・外食のウイットブレッドが4.6%安、や衣料小売りのネクストが4.8%安と下げが目立った。投資会社メルローズ・インダストリーズが4.5%安と売り込まれた。
 
一方、HSBCホールディングスなど銀行株は上昇した。スーパーマーケットのテスコが6.0%高。上半期の決算が好調で、通年の業績見通しを引き上げたことが材料になった。
 
 
 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 14973.33(-221.16)
6日のドイツ株式指数(DAX)は反落した。終値は前日と比べて221.16ポイント(1.5%)安の1万4973.33で、終値では5月上旬以来の安値水準となった。
欧州でエネルギー価格が高騰し、インフレへの警戒感から幅広い銘柄に売りが出た。
 
個別では、ドイツテレコムが大幅安。化学のBASFや高級車のポルシェをはじめ自動車株の下げも目立った。一方、上昇したのはIT(情報技術)のSAPなど4銘柄だけだった。
 
 
 
■フランス・パリ株価指数
CAC40 6493.12(-83.16)

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