3日のNYダウ工業株30種平均は3営業日ぶりに反発し、前日比278ドル24セント高の3万5116ドル40セントで終えた。
ダウ平均は序盤に一時マイナス圏に沈んだ後、再びプラス圏に浮上。米原油先物相場が下げ幅を縮小したことや、6月の米製造業受注が前月比1.5%増と市場予想(1.0%増)を上回ったことが支援材料となった。エネルギーや資本財株が上げを主導し、終盤にかけてジリジリと値を上げた。ヘルスケア株や金融株も買われた。ダウ平均は7月26日に付けた過去最高値に23ドルあまりに迫る場面があった。
長期金利は朝方に一時前日比0.03%低い1.15%を付けた。新型コロナウイルスのインド型(デルタ型)の感染が広がっており、世界景気の回復が鈍化しかねないとの見方が債券買いにつながった。買い一巡後は前日終値付近まで戻す場面があり、過度な景気懸念がひとまず後退した。
取引開始後に発表された6月の製造業受注が前月比1.5%増え、市場予想(1.0%増)を上回ったことも景気敏感株への買いを後押しした。建機のキャタピラーと工業製品・事務用品のスリーエムが2%近く上昇して終えた。航空機のボーイングと化学のダウも高い。長期金利の下げ止まりを好感して、金融のJPモルガン・チェースやゴールドマン・サックスも買われた。
前週に2021年4~6月期決算を発表した後はさえない展開だった主力ハイテク株に押し目買いが入ったことも相場を支えた。スマートフォンのアップルは1%強上昇し、ソフトウエアのマイクロソフトも上げた。
ただ、デルタ型の感染拡大への警戒感はくすぶっている。旅行・レジャー関連や消費関連株の一角には売りが出て、相場の重荷となった。映画・娯楽のウォルト・ディズニーやクレジットカードのビザが安い。
ナスダック総合株価指数は続伸し、前日比80.226ポイント(0.5%)高の1万4761.295で終えた。ネット通販のアマゾン・ドット・コムや検索サイトのアルファベットが上昇した。四半期配当を開始すると2日夕に発表した半導体のマイクロン・テクノロジーは4%高だった。
S&P500種株価指数は3営業日ぶりに反発し、前日比35.99ポイント(0.8%)高の4423.15と過去最高値を更新した。
NYダウ工業株30種(ドル)
35,116.40+278.24
S&P500種4,423.15+35.99
ナスダック
14,761.295+80.226
NY金(ドル/トロイオンス)
1,814.10-8.10
NY原油(ドル/バレル)
70.35-0.21
円・ドル
109.01 – 109.05-0.20
【シカゴ日本株先物概況】
3日のシカゴ日経平均先物は続伸した。9月物は前日比170円高の2万7670円で引け、3日の大取終値を90円上回った。
新型コロナウイルスデルタ株流行への懸念が根強く、寄り付き後、下落。その後、企業の強い決算が懸念を相殺、投資家心理が大幅に改善し、上昇に転じた。終日堅調に推移し、引けにかけては上げ幅を拡大した。
堅調な景気指標や米長期金利の下げ止まりを受けて主要株価指数が上げ、日経平均先物に買いが波及した。3日発表の6月の米製造業受注額は市場予想を上回り、投資家心理が上向いた。
シカゴ日経225先物9月限 (円建て)
27670 ( +90 )
シカゴ日経225先物9月限 (ドル建て)
27685 ( +105 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7105.72(+24.00)
3日のFTSE100種総合株価指数は続伸した。前日の終値に比べ24.0ポイント高の7105.72で引けた。下落した銘柄数が上昇を上回った。
5日の英イングランド銀行の金融政策委員会や6日の米雇用統計などを控えて様子見気分が広がる中、企業決算の好業績銘柄を物色する動きが中心だった。資源株の上昇が株価指数の上げに大きく影響した。
個別銘柄では、石油のBPは5%超上げた。2021年4~6月期に増益となり、増配と自社株買い戻しの計画を発表したことが好感された。同業のロイヤル・ダッチ・シェルも上昇した。21年1~6月期の増益を発表した鉱業のフレスニージョも買われた。
半面、医療関連部門の売却で合意した自動車・航空部品のスミス・グループは10%下落した。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 15555.08(-13.65)
3日のドイツ株式指数(DAX)は小幅に反落した。終値は前日と比べて13.65ポイント安の1万5555.08だった。午後に米国株が下落して始まると一段安になる場面もあったが、その後下げ渋った。
個別では、自動車のBMWは5%超下げた。2021年7~12月期は半導体不足の影響が深刻化するとの懸念を示し売られた。航空エンジン大手のMTUエアロ・エンジンズの下げも目立った。透析器大手のフレゼニウス・メディカル・ケアは上昇した。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 6723.81(+47.91)
フランスの株価指数CAC40は上昇し、終値ベースで2000年9月以来の高値で引けた。
