94円高と反発、海運株が大幅上昇

 

5日午前の日経平均株価は反発した。午前終値は前日比94円71銭高の2万7678円79銭だった。
きょう前場の東京株式市場は、朝方は売り優勢で始まったがその後日経平均は急速に下げ渋り、すぐにプラス圏に浮上した。
前日の米国株市場ではNYダウは安かったものの、ハイテク株比率の高いナスダック総合指数は小幅ながら3日続伸と上昇基調を続けており、為替が円安方向に振れていることなども輸出ハイテク株にポジティブ材料となった。
前日の米長期金利の低下を受けてPER(株価収益率)などの投資尺度面で割高感が薄れた成長(グロース)株の一角が買われ、相場を支えた。
 
ただ、アジア株が軟調なほか、国内でも新型コロナウイルスの感染拡大への警戒感は根強く、前引け時点で値下がり銘柄数が値上がり数を上回っている。
愛知や静岡など8県が新たに新型コロナウイルス対応の「まん延防止等重点措置」の適用地域に追加される見通しとなった。4日に判明した全国の新型コロナ新規感染者数は1万4000人を超え、過去最多を更新した。経済活動の制限が7~9月期以降の企業業績を下押しする懸念も出て上値を重くした。
 
市場では「買い進むだけの材料に乏しく、目先的には指数の上値が抑えられる格好が続きそう。個別株物色が中心となるなか、短期的な動きに惑わされないよう注意したい」との声が聞かれた。
 
JPX日経インデックス400と東証株価指数(TOPIX)はともに上昇した。
 
前引け時点の東証1部の売買代金は概算で1兆875億円、売買高は4億7442万株だった。東証1部の値上がり銘柄数は880と全体の4割にとどまった。値下がりは1159、変わらずは144銘柄だった。

 


 
個別では、日本郵船が売買代金トップで大幅高に買われ、商船三井など海運株が大幅上昇した。東エレク、アドテスレーザーテック、ソニーグループ、任天堂、日本製鉄なども買いが優勢。シュッピンが値上がり率トップに買われ、楽天グループも値を飛ばした。
 
半面、ファーストリテイリングが冴えず、富士通も軟調。リコー、ミツバ、シグマクシスなども大きく値を下げた。新日本科学が急落、いすゞ、マツダ、ライオンの下げも目立つ。
 
 
東証2部株価指数は前日比29.14ポイント安の7604.14ポイントと3日続落している。
値上がり銘柄数は115、値下がり銘柄数は225となった。
 
個別ではクシム、YE DIGITAL、ギグワークス、DNAチップ研究所、ポラリス・ホールディングスなど23銘柄が年初来安値を更新。カーチスホールディングス、大丸エナウィン、富士ソフトサービスビューロ、ユニバンス、ジャパンエンジンコーポレーションが売られた。
 
一方、玉井商船が一時ストップ高と値を飛ばした。トリニティ工業、日鍛バルブは年初来高値を更新。バイク王&カンパニー、日本化学産業、栗林商船、フジオーゼックス、ヤマダコーポレーションが買われた。

 

株ちゃんofficial xはこちら!
目次