17日のNYダウ工業株30種平均は6営業日ぶりに反落し、前日比282ドル12セント安の3万5343ドル28セントで終えた。下げ幅は一時500ドルを超えた。
米商務省が朝方発表した7月の小売売上高は、前月比1.1％減少と市場予想を下回った。マイナスは2カ月ぶり。「最近の新型コロナウイルスのデルタ株の感染拡大や物価上昇などで消費者が支出を抑えている」といい、米経済の7割を占める個人消費の伸びの鈍化が意識され、売りが先行した。ダウ平均は前日までに連日で過去最高値を更新しており、高値警戒感の売りも出やすかった。
新型コロナウイルスのインド型（デルタ型）の感染拡大によって「8月はサービスを中心に売上高が急速に減る可能性がある」と指摘された。個人消費は米実質国内総生産（GDP）の7割を占めるだけに、米景気回復の不透明感が増した。
小売り株が幅広く売られた。17日朝に発表した2021年5～7月期決算で売上高総利益率が悪化したホームセンターのホーム・デポが4%安となった。消費動向の影響を受ける映画・娯楽大手のウォルト・ディズニーやスポーツ用品のナイキの下げも目立った。資本財では航空機のボーイングと建機のキャタピラーが大幅安となった。
足元で上昇基調にあったハイテク株にも利益確定売りが広がり、顧客情報管理のセールスフォース・ドットコムやスマートフォンのアップル、ソフトウエアのマイクロソフトが下落した。
半面、ヘルスケアなどディフェンシブ銘柄は買われる銘柄が多かった。医療保険のユナイテッドヘルス・グループや製薬のメルクが上昇した。
ナスダック総合株価指数は続落し、前日比137.581ポイント安の1万4656.181で終えた。交流サイトのフェイスブックやネット通販のアマゾン・ドット・コムなど主力株が下げたほか、エヌビディアやクアルコムなど半導体銘柄が売りに押された。
NYダウ工業株30種（ドル）
35,343.28－282.12
S&P500種
4,448.08－31.63
ナスダック
14,656.181－137.581
NY金（ドル/トロイオンス）
1,787.80－2.00
NY原油（ドル/バレル）
66.67＋0.08
円・ドル
109.59 – 109.61＋0.27
【シカゴ日本株先物概況】
17日のシカゴ日経平均先物は続落した。9月物は前日比205円安の2万7455円で引け、17日の大取終値を95円上回った。
7月小売売上高が予想以上に落ち込んだため、寄り付き後、下落。NYダウは史上最高値付近からの利益確定売りに加えて、国内の新型コロナ感染による入院患者の急増を警戒した売りも根強く、下げ幅を拡大した。連邦準備制度理事会（FRB）による早期緩和縮小観測も売り材料となり、終日軟調に推移した。
日経平均先物は米株とともに売られた。引けにかけては買いが優勢になり、下げ幅を縮めた。
シカゴ日経225先物9月限 (円建て)
27455 ( +95 )
シカゴ日経225先物9月限 (ドル建て)
27465 ( +105 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7181．11（＋27．13）
17日のFTSE100種総合株価指数は反発した。前日の終値に比べ27.13ポイント高の7181.11で引けた。
他の欧州主要国の株価指数は軟調が目立った。4～6月の英失業率が改善し、求人数が過去最高となるなど雇用環境が改善。新型コロナウイルスの流行からの景気回復が裏付けられ、英国株は底堅く推移した。構成銘柄の上昇と下落の銘柄数はほぼ拮抗した。英雇用統計の改善や、石油株と医薬品株の上昇が株価指数を押し上げた。
個別銘柄では、鉱業のBHPグループは3%超上昇した。2021年6月期決算で純利益が大幅増となったことなどが好感された。料理宅配のジャスト・イート・テイクアウェー・ドットコムは21年1～6月期の営業損失が市場予想よりも小さかったことから買われた。
半面、航空大手インターナショナル・エアラインズ・グループ（IAG）が3.2％安と軟調。金融大手ロイズ・バンキング・グループは1.4％安とさえなかった。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 15921．95（－3．78）
7日のドイツ株式指数（DAX）はほぼ横ばいとなった。終値は前日と比べて3.78ポイント安の1万5921.95だった。
世界で新型コロナウイルスの感染が再拡大し、景気の回復ペースが鈍るとの観測から、欧州各国の株式相場とともに売りが先行した。午後には下げ渋った。
個別では、タイヤのコンチネンタルの下げが目立った。前日に引き続きダイムラーなど自動車株も売られた。ドイツポストは買われた。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 6819．84（－18．93）
