20日の日経平均株価は続落し、前日比267円92銭安の2万7013円25銭で終えた。
前日の米国株安を映して海運や鉄鋼、非鉄といった景気敏感セクターや自動車などの輸出関連株などが売られた。また、中国や香港などアジア市場の不安定な値動きや時間外取引の米株先物も軟調のなか、先物安を映した裁定解消売りも加わり、後場終盤には一時2万6954円81銭と取引時間中としては昨年12月29日以来約8カ月ぶりに2万7000円台を割り込んだ。
今週は軟調となった。日経平均は週初から400円を超える下落となり、以降も上値の重い展開。先週までで決算発表がほぼ一巡したことで手掛かり難となった上に、国内では医療ひっ迫に関するニュースが多く出てくる状況で、先高期待が後退した。
米国で7月のFOMC議事要旨を受けて、ダウ平均が大きく下落したことも下押し材料となった。さらに、トヨタの減産が伝わったことで自動車関連全般が値を崩した。
週後半にかけてリスクオフの様相が強まった。日経平均は2万7000円を割り込む場面もあり、週末値で年初来安値を更新。週間では約963円の下落となり、週足では3週ぶりに陰線を形成した。
来週は方向感に欠ける展開か。
26日から28日までジャクソンホール会合が開催される。これをにらみながらの神経質な地合いになるだろう。直近公表された7月のFOMC議事要旨では、FRBメンバーの大半が年内のテーパリングが適当と判断していたことが伝わっている。そのため、今回の会合で米国の金融政策に関する何らかの示唆が出てきたとしても、内容自体は織り込み済みと思われる。ただ、それでもイベント近辺では、米国株の反応が大きくなる可能性があるだろう。ジャクソンホール会合を通過するまでは強弱感が定まりづらく、週を通して不安定な相場環境が続くと予想する。
■上値・下値テクニカル・ポイント(20日現在)
28064.73 ボリンジャー:+1σ(25日)
28064.49 均衡表転換線(週足)
27937.76 ボリンジャー:-1σ(26週)
27903.56 均衡表基準線(日足)
27743.09 均衡表雲上限(週足)
27730.59 25日移動平均線
27617.31 均衡表転換線(日足)
27551.70 ボリンジャー:-1σ(13週)
27467.52 6日移動平均線
27396.44 ボリンジャー:-1σ(25日)
27388.16 新値三本足陽転値
27150.34 ボリンジャー:-2σ(26週)
27062.30 ボリンジャー:-2σ(25日)
27013.25 ★日経平均株価20日終値
26838.87 ボリンジャー:-2σ(13週)
26728.16 ボリンジャー:-3σ(25日)
26362.93 ボリンジャー:-3σ(26週)
26126.05 ボリンジャー:-3σ(13週)
下降する5日線を下放れて27000円下まで下ヒゲを出して日足は連続陰線。週足でも陰線を引いて昨年7月最終週以来の52週線割れで今週の取引を終えた。一目均衡表では基準線と転換線がともに下向きで終了し、遅行線は弱気シグナルを増大して三役逆転下での売り手優位が顕著になった。
ボリンジャーバンド(25日ベース)で終値が-2σを下回って下値拡張局面入りを示唆する一方、25日線とのマイナス乖離は2.59%と「売られ過ぎ」の5%ラインに届いていないため、来週も下押しリスクへの警戒が必要となろう。
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