NYダウ225ドル高と上昇、ハイテク株に買い

 
20日のNYダウ工業株30種平均は4営業日ぶりに反発し、前日比225ドル96セント高の3万5120ドル08セントで終えた。
 
18日発表された7月の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨を受け、量的緩和の縮小を年内に始めるとの観測が台頭。資金流入の減少や景気回復の鈍化への懸念から株式を売る動きが強まり、ダウ平均は連日下落していた。
この日は、その反動から、値ごろ感が出たハイテク株を中心に買いが先行。下落が続いていた景気動向の影響が大きい銘柄も上昇した。
 
前日に業務ソフトの値上げを発表したマイクロソフトが業績期待から買われ、3%近く上げて終えた。顧客情報管理のセールスフォース・ドットコムやスマートフォンのアップルも高い。18日に市場予想を上回る決算を発表したネットワーク機器のシスコシステムズへの買いも続いた。
 
消費関連ではホームセンターのホーム・デポが2%高となったほか、スポーツ用品のナイキや映画・娯楽のウォルト・ディズニー、クレジットカードのアメリカン・エキスプレスが高い。景気敏感株は総じて上値が重い展開だったが、化学のダウや航空機のボーイング、建機のキャタピラーなどが小幅に上げた。
投資家心理を測る指標となる米株の変動性指数(VIX)は前日まで節目の20を上回っていたが、20日は18台に低下して終えた。投資家心理の過度な悪化がひとまず和らいだのも押し目買いが入った理由との見方があった。
 
もっとも、新型コロナウイルスのインド型(デルタ型)の感染が米国でも広がっており、景気減速懸念はくすぶったままだ。米連邦準備理事会(FRB)がテーパリング(量的緩和の縮小)を早期に開始するとの観測が強まり、米景気を冷やしかねないとの見方もある。景気敏感株の上値を追う動きが限られた半面、業績が景気の影響を受けにくいハイテク株は買われやすかった。
 
ナスダック総合株価指数は続伸し、前日比172.874ポイント高の1万4714.663で終えた。検索サイトのアルファベットや交流サイトのフェイスブックが高い。18日に好決算を発表した画像処理半導体のエヌビディアは5%高で終えた。前日にヒト型ロボットの開発に乗り出す方針を明らかにした電気自動車のテスラは1%高だった。
 
 
 
 
NYダウ工業株30種(ドル)
35,120.08+225.96
S&P500種
4,441.67+35.87
ナスダック
14,714.663+172.874
NY金(ドル/トロイオンス)
1,784.00+0.90
NY原油(ドル/バレル)
62.25-1.44
円・ドル
109.78 – 109.80+0.01
 

 


【シカゴ日本株先物概況】

20日のシカゴ日経平均先物は小幅に反発した。9月物は前日比10円高の2万7260円で引け、20日の大取終値を250円上回った。20日の米株式市場でNYダウ工業株30種平均が4営業日ぶりに反発し、日経平均先物に買いが波及した。

買戻しが優勢となったため、寄り付き後、上昇。緩和縮小を巡りタカ派発言を繰り返してきたダラス連銀総裁のカプラン総裁がデルタ株感染が拡大した場合に方針を修正すると発言し、連邦準備制度理事会(FRB)の早期緩和縮小への脅威も和らぎ相場の上昇を支援。また、ハイテク株の上昇も手伝い、上げ幅を拡大した。
一方で新型コロナウイルスのインド型(デルタ型)の感染拡大や年内のテーパリング(量的緩和の縮小)による景気減速への警戒感が根強く、上値を抑えた。

【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
 20日のFTSE100種総合株価指数は3日ぶりに反発した。前日の終値に比べ29.04ポイント(0.4%)高の7087.90で引けた。構成銘柄の8割近くが上昇した。
米連邦準備制度理事会(FRB)の量的緩和縮小観測が強まる中、来週のパウエルFRB議長のジャクソンホールでの講演を前に投資家の様子見気分が強かった。ただ、外為相場のポンド安が相場を後押しした。たばこ株と資源株の上昇が株価指数を押し上げた。
 
個別では、スポーツ関連小売りのJDスポーツ・ファッションが3%近く上昇と目立った。たばこのインペリアル・ブランズも買われた。
半面、鉱業大手アングロ・アメリカンが1.5%安と軟調。酒造大手ディアジオは1.2%安とさえなかった。
 

■ドイツ・フランクフルト株価指数
20日のドイツ株式指数(DAX)は反発した。終値は前日と比べて42.23ポイント(0.3%)高の1万5808.04だった。
午前は、新型コロナウイルスの感染が再拡大し、世界経済の回復ペースが鈍ると懸念され、欧州各国市場で売りが優勢だった。午後に米国株が上がって始まると、多くの欧州株式相場は上昇に転じるか下げ幅を縮めた。
 
個別では、半導体のインフィニオンテクノロジーズの上昇が目立った。電力のRWEは、アナリストによる株価目標引き上げなどが好感され買われた。素材メーカーのコベストロは売られた。

■フランス・パリ株価指数
CAC40(仏)6,626.11 +20.22

 

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