90円安と反落 米緩和縮小を意識

 
27日午前の日経平均株価は反落し、前引けは前日比90円78銭安の2万7651円51銭だった。
米連邦準備理事会(FRB)による早期のテーパリング(量的金融緩和の縮小)観測などを受けて、前日は米株式相場の上昇が一服。東京市場でも景気敏感株を中心に売りが出た。
 
米カンザスシティー連銀のジョージ総裁らが26日に緩和縮小に前向きととれる発言をしたため、FRBがテーパリングを前倒しするとの警戒感が強まった。
また、アフガニスタンの空港周辺で自爆テロとみられる爆発が発生し、下げ幅を拡大した。本日の日経平均もこうした流れを引き継いで161円安からスタートすると、朝方、日経平均の下げ幅は一時260円まで拡大したが、その後は中国・上海株などアジア株が堅調に推移したこともあって下げ渋った。日本時間の今晩には米カンザスシティー連銀主催の経済シンポジウム(ジャクソンホール会議)でパウエルFRB議長が講演する。「重要イベントを控えて投資家は持ち高を一方向に傾けにくい」との指摘があった。
 
JPX日経インデックス400は反落、東証株価指数(TOPIX)は続落した。
 
前引け時点の東証1部の売買代金は概算で1兆558億円、売買高は4億3444万株だった。東証1部の値下がり銘柄数は1231、値上がりは807、変わらずは146だった。
 
 


業種別株価指数(33業種)は石油・石炭製品、精密機器、ゴム製品などが下落。上昇は海運業、保険業、金属製品など。
 
個別では、任天堂、ソフトバンクG、トヨタ自などがさえない。イオンは2%近く下落しているが、8月末の配当・株主優待権利落ちを前に売りが出ているようだ。7月の単体業績速報を発表した神戸物産は伸び鈍化と受け止められて3%超の下落。また、グリーやガンホーといったゲーム関連株の一角が東証1部下落率上位に顔を出している。サッポロHDやアサヒが安い。出光興産やENEOSも売られた。
 
半面、商船三井が9%近い上昇。1万円を超える強気の目標株価設定が相次ぎ、買い材料視されているようだ。郵船や川崎船といった他の海運株も大幅高。業績上方修正のスター・マイカ・ホールディングスが急伸し、海運株などとともに東証1部上昇率上位に顔を出している。日野自やいすゞも上昇した。
 
東証2部株価指数は前日比7.27ポイント安の7552.57ポイントと5日ぶり反落した。
出来高は6700万株。値上がり銘柄数は159、値下がり銘柄数は180となった。
 
個別では、ソケッツ、イトーヨーギョーが年初来安値を更新。大丸エナウィン、宮入バルブ製作所、共和コーポレーション、北日本紡績、クシムが売られた。
 
 一方、鈴与シンワートがストップ高。レオクランは一時ストップ高と値を飛ばした。シノブフーズ、ヴィスコ・テクノロジーズ、安楽亭など4銘柄は年初来高値を更新。アクロディア、スーパーバッグ、玉井商船、加地テック、フライトホールディングスが買われた。
 

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