手控えムードか

 
日経平均株価は反落。前日のニューヨーク市場が軟調で売りが先行する展開となった。今晩のジャクソンホール会議を前に様子見姿勢も強まった。
前日の米株式市場では、NYダウがアフガニスタン情勢への警戒感もあり5日ぶりに反落した。これを受け、東京市場も値を下げてスタート。日経平均は一時260円を超える下落となる場面があった。ただ、下値には買いが入り売り一巡後は下げ渋った。今晩はジャクソンホール会議でパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長が講演を行う予定であり、その結果を確かめたいと後場にかけ模様眺め気分も強まった。
 
今週の日経平均終値は2万7641円で、前週末比627円高。
 
今週の日経平均は先週の急落に対するリバウンド的な動きから2週ぶりに反発。
週間高値は2万7897円まで達するなど前週の下げを一時埋める場面があったが、米国の量的緩和縮小(テーパリング)やアフガン情勢の混沌化があって最終的には伸び悩み。
東証1部の出来高が本年最低水準に落ち込んでおり上昇するエネルギーはあまり伴ってはいなかった。
売り物がかなり枯れているのである程度は戻せるが、株価の節目などに到達すると戻り限界が生じやすい状況となっている。
今週はそれが心理的な節目でもある2万8000円だったということだろう。一方、下値は今週もほぼ52週移動平均線(2万7339円)に支えられており長期トレンドはまだ何とか守られている状態。来週もここに守られながら日柄調整を進めて行く流れか。
 
来週は手控えムードか。
来週の日経平均の予想レンジは、2万7300円-2万7900円を想定。
9月相場入りとなる。政局の不透明感やアフガン情勢の悪化、新型コロナウィルス・デルタ株感染が企業の生産活動に打撃を与えかねない状況になっていることに加え、米中の景況感の見極めなど手控え要因は多い。
月末安のアノマリーが続く中、週前半は手控えムード一色か。
後半に関しても9月FOMC(米連邦公開市場委員会)でのテーパリング開始時期決定への判断材料となる米8月雇用統計の発表を週末に控え、東証一部の売買代金は2兆円割り込む場面もありそうだ。
 
一方、マザーズ指数が底堅い。25日線上を維持しており、米長期金利が極端に跳ね上がる状況でもならない限り、時価総額の大きい銘柄を中心に選別物色が続きそう。
 
ここ近年、8月相場が低迷すると、9月相場はもみ合い上放れや上昇したケースが多い。昨年は8月に上昇したため9月は比較的小動きだったが、2017年から3年間は堅調に推移した経緯がある。
そういった点で今年は以下のポイントが重要となるだろう。
まずは、東証一部の騰落レシオである。最近の傾向では25日平均が80%を割れるとまもなく上昇に転じる傾向にあるが、75日平均を明確に上回れずにいる。
ただ、8/27は75日平均の94.2%に対して25日平均は103.9%まで上昇し、8/26と2日続けて25日平均が上回った。
過去、25日平均が75日平均を明確に上回るようになってくると、相場基調が強くなることが繰り返されている。
次に、価格帯別の累積売買代金の推移である。年初来、TOPIXベースで1950~1960ポイントの価格帯は約66兆円の商いをこなした上値の壁であり、そこに近くなると戻り売り圧力が強くなることが推測できる。直近では8/13に1956ポイントで戻り高値をつけており、超えることができれば逆に一段高が見込まれる。
 
 
 
 
■上値・下値テクニカル・ポイント(27日現在)
 
28397.66  ボリンジャー:+3σ(25日)
28283.81  75日移動平均線
28248.37  均衡表雲下限(日足)
28220.94  200日移動平均線
28154.01  ボリンジャー:+2σ(25日)
28148.50  13週移動平均線
28038.05  均衡表転換線(週足)
27910.36  ボリンジャー:+1σ(25日)
27861.57  ボリンジャー:-1σ(26週)
27827.48  均衡表雲上限(週足)
27666.71  25日移動平均線
 
27641.14  ★日経平均株価27日終値
 
27617.31  均衡表基準線(日足)
27557.97  6日移動平均線
27467.09  ボリンジャー:-1σ(13週)
27426.27  均衡表転換線(日足)
27423.05  ボリンジャー:-1σ(25日)
27281.17   新値三本足陰転値
27179.40  ボリンジャー:-2σ(25日)
27048.92  ボリンジャー:-2σ(26週)
 

 
終値は25日線をわずかに下回ったが、ローソク足は小陽線で終了。5日線が25日線を0.20円上回って短期ゴールデンクロス(GC)を示現した。
一目均衡表では基準線と転換線が横ばいで引けて目先のもみ合い継続を示唆。週足では52週線を回復したが、上ヒゲは下降する13週線には届かず、底堅い反面、上値の重い相場が予想される。
 

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