NYダウ続伸、景気敏感株への買い

6月30日のNYダウ工業株30種平均は続伸し、前日比210ドル22セント高の3万4502ドル51セントで終えた。
新型コロナウイルス禍からの経済活動の正常化が続いていることを支えに、景気動向の影響を受けやすいエネルギー株や資本財株などのほか、消費関連株が買われ、ダウ平均を押し上げた。ただ、6月の米雇用統計の発表を週内に控えて様子見気分も強く、総じて動意に乏しい展開となった。
6月のADP全米雇用リポートで非農業部門の雇用者数(政府部門を除く)が前月比69万2000人増と、市場予想(55万人程度の増加)を上回った。
 
7月2日発表の米政府の雇用統計では非農業部門の雇用者数が前月比70万人程度増加すると予想されている。同程度の増加であれば、労働市場の改善は続く一方、米連邦準備理事会(FRB)がテーパリング(量的金融緩和の縮小)の開始を前倒しするほどの強い内容にはならないとの指摘があった。
 
四半期末と半期末の持ち高調整で割高感が意識されやすいハイテク株を売って、相対的に割安な景気敏感株を買う動きもあったもようだ。取引終了にかけて景気敏感株への買いが強まり、ダウ平均は上げ幅を広げる展開だった。
 
航空機のボーイングや機械のハネウェル・インターナショナル、工業製品・事務用品のスリーエム(3M)など景気敏感株が上昇した。小売り大手ウォルマートは前日比3%高となり、金融のゴールドマン・サックスや石油のシェブロンなどにも買いが入った。
 
一方、29日にデータセンター向け新型CPU(中央演算処理装置)の生産の遅れを明らかにした半導体のインテルが続落した。足元で上昇が目立っていたスポーツ用品のナイキも下げた。
 
ダウ平均は6月月間では27ドル(0.1%)安と小幅ながら5カ月ぶりに下落した。
 
ナスダック総合株価指数は3日ぶりに反落し、前日比24.382ポイント安の1万4503.953で終えた。ソフトウエアのマイクロソフトや交流サイト(SNS)のフェイスブックなど主力ハイテク株の一角が利益確定の売りに押された。ナスダック指数は6月月間で755ポイント(5.5%)高となり、上昇率は昨年12月以来の大きさだった。
 
S&P500種株価指数は小幅に5日続伸した。前日比5.70ポイント(0.1%)高の4297.50と連日で過去最高値を更新した。月間では2.2%高と5カ月連続で上昇した。
 
 
 
NYダウ工業株30種(ドル)
34,502.51+210.22
S&P500種
4,297.50+5.70
ナスダック
14,503.953-24.382
NY金(ドル/トロイオンス)
1,771.60+8.00
NY原油(ドル/バレル)
73.57+0.10
円・ドル
111.08 – 111.09+0.54

 


【シカゴ日本株先物概況】

6月30日のシカゴ日経平均先物は小幅に続落した。
9月物は前日比80円安の2万8765円で引け、30日の大取終値を15円下回った。
NYダウは、6月ADP雇用統計で民間の雇用者数の伸びが予想を上回ったため、労働市場の強い回復期待に、寄り付き後、上昇。中古住宅販売成約指数も予想を上回ったほか、原油高も好感され、終日堅調に推移した。ただ、2日発表の6月の米雇用統計を控え小幅な値動きにとどまった。
 
 
シカゴ日経225先物9月限 (円建て)
28765 ( +15 )
シカゴ日経225先物9月限 (ドル建て)
28785 ( +35 )
( )は大阪取引所終値比
 

【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7037.47(-50.08)
30日のロンドン株式市場で、FTSE100種総合株価指数は反落した。前日の終値に比べ50.08ポイント(0.7%)安の7037.47で引けた。
この日は指数構成銘柄の7割以上が下落。新型コロナウイルスの感染再拡大を受け、経済の先行きに慎重な見方が広がった。英国で新型コロナウイルスの1日当たりの感染者数が増加し、経済の正常化が遅れるとの懸念が強まり売りが広がった。景気動向に敏感な金融株や鉱業株が下落し株価指数の押し下げ要因となった。
 
個別銘柄では、保険のプルーデンシャルとロシアの鉄鋼大手エブラズはともに3%超の下落と目立った。資産運用会社インターメディエイト・キャピタル・グループが3.0%安、オンライン食品販売オカド・グループが2.9%安、オンライン食品デリバリー大手ジャストイート・テークアウェイが2.7%安と売られた。
 
一方、給食サービス大手コンパス・グループが1.9%高、流通大手セインズベリーが1.1%高、投資信託スコティッシュ・モーゲージ・インベストメント・トラストが0.8%高、ホテル大手インターコンチネンタルホテルズグループが0.5%高と堅調だった。
 
 
 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 15531.04(-159.55)
30日のドイツ株式指数(DAX)は反落した。終値は前日と比べて159.55ポイント(1.0%)安の1万5531.04だった。
新型コロナウイルスで感染力の強いインド型(デルタ株)が拡大していることなどが懸念され、売りが広がった。
個別では、エネルギー関連のシーメンス・エナジーとタイヤのコンチネンタルの下落が目立った。上昇したのは透析器大手のフレゼニウス・メディカル・ケアを含む3銘柄だけだった。
 
 
 
■フランス・パリ株価指数
CAC40 6507.83(-59.60

 

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