2日のNYダウ工業株30種平均は4日続伸し、前日比152ドル82セント高の3万4786ドル35セント(速報値)と2カ月ぶりに過去最高値を更新した。
米労働省が朝方発表した6月の雇用統計では、非農業部門の就業者数が前月比85万人増となり、市場予想を上回った。米雇用情勢の順調な回復が確認されたことを好感し、株式の買いが優勢となった。長期金利の低下で割高感の薄れたハイテク株が買われ、相場を押し上げた。高PER(株価収益率)銘柄が多いハイテク株を中心に買いが優勢となった。
雇用統計では、就業者数が伸びる一方、失業率は前月から上昇しており、半導体不足などの影響がある自動車業界や、建設業では就業者数が減少した。市場では「米連邦準備制度理事会(FRB)が金融緩和の早期縮小に傾くほどの改善ではない」との見方が多く、金融政策の転換前倒しへの懸念が後退したことも安心感につながった。
金融緩和の早期縮小懸念が和らぎ、長期金利は前日比0.03%低い(債券価格は高い)1.42%を付けた。長期金利の低下を受け相対的な割高感が薄れたハイテク株が買われ、ソフトウエアのマイクロソフトやスマートフォンのアップルへの買いが目立った。
雇用回復による消費の増加期待からクレジットカードのアメリカン・エキスプレスとビザが上昇した。新型コロナウイルスワクチンがインド型(デルタ株)に対して有効と発表した医薬品・日用品大手のジョンソン・エンド・ジョンソンも高い。一方、社長退任を発表した情報技術のIBMは大幅に下落した。
ナスダック総合株価指数は続伸し、前日比116.949ポイント高の1万4639.325(速報値)と3日ぶりに過去最高値を更新した。エヌビディアが上場来高値を更新するなど、半導体関連株の上昇が目立った。S&P500種株価指数も連日の過去最高値で終えた。
NYダウ工業株30種(ドル)
34,786.35+152.82
S&P500種
4,352.34+32.40
ナスダック
14,639.325+116.949
NY金(ドル/トロイオンス)
1,783.30+6.50
NY原油(ドル/バレル)
75.19-0.04
円・ドル
111.02 – 111.04-0.25
【シカゴ日本株先物概況】
2日のシカゴ日経平均先物は小幅に下落した。9月物は前日比10円安の2万8775円で引け、2日の大取終値を15円上回った。円高が上値を抑えた。
朝方発表の6月の米雇用統計は米連邦準備理事会(FRB)がテーパリング(量的緩和の縮小)を早めるほどの内容ではないと受け止められ、日経平均先物は米株とともに買われる場面もあった。今週末に独立記念日の3連休を控え、持ち高調整の動きもみられた。
シカゴ日経225先物9月限 (円建て)
28775 ( +15 )
シカゴ日経225先物9月限 (ドル建て)
28790 ( +30 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
2日のFTSE100種総合株価指数はほぼ横ばいだった。前日の終値に比べ1.89ポイント安の7123.27で引けた。経済の回復期待から指数構成銘柄のほぼ6割は上昇する一方、金融株が下落し、全体を押し下げた。
銀行株と石油株の下落が株価指数を押し下げる一方で、鉱業株の上昇が下値を支えた。
個別銘柄では、スタンダードチャータード銀行と銀行のナットウエスト・グループの下げが目立った。バークレイズとロイズ・バンキング・グループが1.7%安、HSBCホールディングスが1.6%安と売られた
一方、複数のアナリストが株価目標を引き上げた産業用ソフトウエアのアヴィバグループは買われた。ビジネス情報会社インフォーマが3.2%高、産金・産銀会社ポリメタル・インターナショナル2.4%高と買われた
■ドイツ・フランクフルト株価指数
2日のドイツ株式指数(DAX)は続伸した。終値は前日と比べて46.28ポイント(0.3%)高の1万5650.09だった。
個別では、料理宅配大手のデリバリーヒーローの上昇が目立った。アナリストによる株価目標引き上げなどが好感された。不動産のボノビアも買われた。透析器大手のフレゼニウス・メディカル・ケアは下落した。
■フランス・パリ株価指数
フランスの株価指数CAC40は、ほぼ横ばいだった。
CAC40(仏)6,552.86 -0.96
