NYダウ126ドル高、2日連続最高値 

12日のNYダウ工業株30種平均は続伸し、前週末比126ドル02セント高の3万4996ドル18セントと連日で過去最高値を更新した。
今週から2021年4~6月期決算の発表シーズンが始まる。先陣を切る大手金融株を中心に決算発表に先回りした買いが入った。米長期金利の低下に一服感が広がったことも、市場心理の改善につながった。
 
経済活動の再開を背景に米主要企業の4~6月期は好業績が見込まれている。13日に決算を発表する金融のゴールドマン・サックスとJPモルガン・チェースが買われた。長期金利が小幅に上昇する場面があり、利ざや悪化懸念が和らいだことも金融株の上昇につながった。ダウ平均の構成銘柄以外では銀行のバンク・オブ・アメリカやシティグループが高い。
 
金融株以外の景気敏感株にも買いが入った。半導体のインテルやクレジットカードのアメリカン・エキスプレス、建機のキャタピラーが高い。映画最新作の週末の興行収入が好調だったと発表した映画・娯楽のウォルト・ディズニーが4%強上げ、ダウ平均を押し上げた。
 
ただ、相場の上値は重かった。ダウ平均は前週末に448ドル上昇し、高値警戒感がくすぶった。前週末に上昇した航空機のボーイングや工業製品・事務用品のスリーエム(3M)は利益確定売りに押された。長期金利の低下が一服する中、スマートフォンのアップルなど主力ハイテク株の一角も下げた。
 
米ニューヨーク連邦準備銀行が同日発表した6月の消費者調査では、1年先の期待インフレ率が過去最高を更新した。13日には6月の消費者物価指数(CPI)の発表、14、15日には米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長の議会証言も予定されており、インフレに対するFRBの見方を見極めようと、様子見ムードも見られた。
 
ナスダック総合株価指数は続伸し、前週末比31.321ポイント(0.2%)高の1万4733.240と過去最高値を更新した。ネット検索のアルファベットや交流サイトのフェイスブックが高い。ドイツでの電気自動車(EV)購入の助成金制度の延長が追い風になるとの見方からEVのテスラは4%高となった。エヌビディアなど半導体関連株も買われた。
 
S&P500種株価指数は前週末比15.08ポイント(0.3%)高の4384.63と過去最高値を更新した。
 
 
 
NYダウ工業株30種(ドル)
34,996.18+126.02
S&P500種
4,384.63+15.08
ナスダック
14,733.240+31.321
NY金(ドル/トロイオンス)
1,805.90-4.70
NY原油(ドル/バレル)
74.15+0.05
円・ドル
110.33 – 110.35+0.29
 

 


【シカゴ日本株先物概況】

12日のシカゴ日経平均先物は続伸した。9月物は前週末比120円高の2万8655円で引け、12日の大取終値を155円上回った。決算期を控え、企業の好業績への期待から米主要株価指数が過去最高値を更新し、日経平均先物に買いが波及した。
NYダウは、国内でも新型コロナウイルス変異株の感染拡大が見られ、警戒感から寄り付き後、下落した。その後、企業の好決算を期待し、景気循環株にも買いが向かい上昇に転じた。引けにかけて、シューマー上院院内総務がインフラ計画を巡る進展に楽観的な見解を示すと、回復期待に一段高となり主要株式指数は連日、史上最高値を更新して引けた。
市場関係者は米金融政策の先行きに注目しており、13日発表の6月の米消費者物価指数(CPI)や、14日の米連邦準備理事会(REB)のパウエル議長の議会証言の結果を見極めたいとの向きが多い。
 
 
シカゴ日経225先物9月限 (円建て)
28655 ( +155 )
シカゴ日経225先物9月限 (ドル建て)
28675 ( +175 )
( )は大阪取引所終値比

【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7125.42(+3.54)
12日のFTSE100種総合株価指数は小幅に続伸した。前週末の終値に比べ3.54ポイント(0.1%)高の7125.42で引けた。
英国で新型コロナウイルスの感染再拡大を懸念してマイナス圏で推移した後、米国株の上昇につれて値を戻した。構成銘柄の5割超が上昇した。
 
新型コロナウイルスのインド型(デルタ型)の感染拡大で、市場では世界景気の回復が遅れるとの懸念が強まり、午前は売りが優勢だった。午後に米国株が上がって始まると、英国株は上昇に転じた。医薬品株の上昇が株価指数を押し上げた。
 
個別銘柄では、保険のアドミラル・グループは4%近く上昇した。2021年1~6月期の利益が予想を上回るとの見通しを示したことが買い材料となった。銀行のナットウエスト・グループは、アナリストによる株価目標引き上げが好感され買われた。
 
一方、デルタ型の感染拡大が懸念され、旅行関連株は売られた。航空機エンジン製造大手ロールス・ロイスが5.2%安、航空大手インターナショナル・エアラインズ・グループ(IAG)が4.2%安の下げが目立った。外食・ホテル大手ウィットブレッドが3.1%安と売られた。
 
 
 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 15790.51(+102.58)
12日のドイツ株式指数(DAX)は続伸した。終値は前週末と比べて102.58ポイント高の1万5790.51と、終値ベースで過去最高値を更新した。
午前の欧州各国の株式相場は、新型コロナウイルスのインド型(デルタ型)の感染拡大で世界景気の回復が遅れるとの懸念が強まり下落した。午後に米国株が上がって始まると、欧州株はそろって上昇に転じた。
 
個別では、料理宅配大手のデリバリーヒーローと自動車のフォルクスワーゲン(VW)が上昇した。航空エンジン大手のMTUエアロ・エンジンズは売られた。
 
 
 
■フランス・パリ株価指数
CAC40 6559.25(+29.83)
 
 

株ちゃんofficial xはこちら!
目次