13日のNYダウ工業株30種平均は3営業日ぶりに反落し、前日比107ドル39セント(0.3%)安の3万4888ドル79セントで終えた。
労働省が発表した6月の米消費者物価指数(CPI)は前年同月比5.4%上昇と、2008年8月以来12年10カ月ぶりの高い伸びとなった。前月比も13年ぶりの大幅な伸びで、いずれも市場予想を上回った。新型コロナウイルス禍で制限されていた経済活動の正常化に加え、サプライチェーン(供給網)の混乱や人手不足などを背景とするインフレ圧力の高まりが改めて示された。
米連邦準備制度理事会(FRB)は、インフレ率上昇が「一時的」との見方を繰り返し示し、市場でもこうした見方が浸透しているものの、予想を上回る指標の伸びが投資家心理を圧迫した。
航空機のボーイングが大幅安となり、ダウ平均の重荷となった。2021年4~6月期決算を発表した大手金融株が売られたのも投資家心理の悪化につながった。
ボーイングが4%安となり、1銘柄でダウ平均を65ドル程度押し下げた。13日に中型機「787」の機体の一部で改修が必要な問題が見つかり、生産ペースを引き下げると発表したのが嫌気された。金融のJPモルガン・チェースとゴールドマン・サックスも安い。4~6月期決算はともに大幅な増益だったが、一時的な要因による利益押し上げが大きく、買い材料視されなかった。
ただ、ダウ平均の下げ幅は限られた。今月末に控える4~6月期決算への期待が高いスマートフォンのアップルとソフトウエアのマイクロソフトに買いが入り、ダウ平均を下支えした。
ナスダック総合株価指数は3営業日ぶりに反落し、前日比55.586ポイント安の1万4677.654で終えた。午前中は高く推移したが、米財務省が午後に実施した30年物国債入札が低調な結果に終わり、長期金利が1.4%台に上昇すると売り圧力が高まった。電気自動車のテスラが売られ、エヌビディアなど半導体関連株が安い。
NYダウ工業株30種(ドル)
34,888.79-107.39
S&P500種
4,369.21-15.42
ナスダック
14,677.654-55.586
NY金(ドル/トロイオンス)
1,809.90+4.00
NY原油(ドル/バレル)
75.15-0.10
円・ドル
110.62 – 110.64+0.26
【シカゴ日本株先物概況】
13日のシカゴ日経平均先物は反落した。9月物は前日比105円安の2万8550円で引け、13日の大取終値を100円下回った。
NYダウは、6月の消費者物価指数(CPI)が予想を上回ったため、インフレ高進への警戒感から寄り付き後、下落。企業決算や米長期金利の低下を手掛かりに史上最高値付近からの利益確定売りなども目立ち、終日軟調に推移した。日経平均先物に売りが波及した。
シカゴ日経225先物9月限 (円建て)
28550 ( -100 )
シカゴ日経225先物9月限 (ドル建て)
28570 ( -80 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7124.72(-0.70)
13日のFTSE100種総合株価指数はほぼ横ばいだった。前日の終値に比べ0.70ポイント安の7124.72で引けた。
プラス圏で始まったものの、米消費者物価が良好な結果になったことで、金融緩和の早期縮小観測が強まり、売りが優勢となった。構成銘柄の5割超が上昇した。
資源株と金融株の下落が株価指数を押し下げる一方で、時価総額の大きい酒類のディアジオと食品・日用品のユニリーバなどの上昇が指数の下値を支えた。
個別銘柄では、金融大手ナットウエストが2.6%安、航空大手インターナショナル・エアラインズ・グループ(IAG)が2.3%安、航空機エンジン製造大手ロールス・ロイスが2.2%安、外食・ホテル大手ウィットブレッドが1.9%安と売られた。
一方、ポンド相場が下落し、通貨安が業績の追い風になるディアジオなど多国籍企業銘柄は上昇した。産金大手フレスニロが3.1%高、建機レンタルのアシュテッド・グループが1.9%高、有害生物管理会社レントキル・イニシャルが1.8%高、医療・安全装置メーカーのハルマが1.7%高と堅調だった。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 15789.64(-0.87)
13日のドイツ株式指数(DAX)はほぼ横ばいだった。終値は前日と比べて0.87ポイント安の1万5789.64だった。終日、狭い範囲での取引だった。
個別では、ドイツ銀行と航空エンジン大手のMTUエアロ・エンジンズの下落が目立った。アナリストが株価目標を引き上げたIT(情報技術)のSAPは買われた。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 6558.47(-0.78)
