20日午前の日経平均株価は続落し、前日比88円22銭安の2万7564円52銭で前場を終えた。
週明け19日の米株式市場でNYダウは大幅に続落し、725ドル安となった。世界的に新型コロナウイルスのデルタ株が流行しており、景気の先行き懸念が強まった。産油国が週末の会合で減産規模を縮小することで合意し、原油価格が下落したことも相場の重しとなった。
運用リスクを回避する目的の売りが日本株にも優勢となった。
新型コロナウイルスで感染力の強いインド型(デルタ型)の感染拡大が世界的に広がるなか、景気の先行きに不透明感が強まっている。景気敏感株を中心に売りが出て日経平均の下げ幅は一時300円を超え、取引時間中として1月6日以来の安値を付けた。
米株価指数先物やニューヨーク原油先物は時間外取引では持ち直した。日本株も株価指数先物が主導して前引けにかけて下げ幅を縮小した。前日の米市場でも底堅かった半導体関連の上昇も目立った。
市場からは「売り一巡後は、値ごろ感や、米株先物高を支えに下げ渋ったが、朝方に思ったほど売られなかったことで、後場は海外勢の売りが出る可能性がある。米株の調整は始まったばかりで、先行き日本株も連鎖安になりやすい」との声が聞かれた。
JPX日経インデックス400と東証株価指数(TOPIX)は続落した。前引け時点の東証1部の売買代金は概算で1兆1941億円、売買高は5億4100万株だった。
東証1部の値下がり銘柄数は1354と、全体の約6割だった。値上がりは713、変わらずは125銘柄だった。
業種別株価指数(33業種)は、鉱業、石油・石炭製品、不動産業などが下落。一方、精密機器と医薬品は上昇した。
個別では、任天堂、トヨタ自、ソフトバンクグループ(SBG)、ファーストリテ、ソニーG、TDK、電通グループなどがさえない。ファナックは2%超下落し、中小型株では前日ストップ高のファーマFが利益確定売りに押されている。INPEXなどは原油価格の下落に連れ安。また、やはり前日大きく買われたJVCKWなどが東証1部下落率上位に顔を出している。
一方、業績上方修正を発表したキヤノンが賑わい、東証1部上昇率トップ。エプソンやウエルシアHDも上昇率上位に顔を出している。また、前日の米フィラデルフィア半導体株指数(SOX)が小幅ながら上昇し、レーザーテックが4%超の上昇。東エレク、アドテストなどもまずまず堅調に推移している。
東証2部株式指数は前日比31.28ポイント安の7703.69ポイントと続落した。
出来高は9313万株。値上がり銘柄数は111、値下がり銘柄数は258となった。
個別では、技研ホールディングス、フルスピード、クシム、ギグワークス、オーミケンシなど12銘柄が年初来安値を更新。セキド、ファインシンター、光陽社、コメ兵ホールディングス、エヌリンクスが売られた。
一方、アヲハタ、赤阪鐵工所、TBグループ、旭情報サービスが年初来高値を更新。アートスパークホールディングス、ユーピーアール、黒田精工、東京ソワール、三精テクノロジーズが買われた。
