21日の日経平均は続伸した。219円58銭高の2万8317円83銭(出来高概算10億3796万株)で取引を終えた。
20日の米国市場では週次新規失業保険申請件数が予想以上に減少し、景気回復期待を受けた買いが再燃。長期金利の低下を受け、ハイテク株も買われた流れを引き継ぐ格好から、東京市場も値がさ株を中心に買いが先行して始まった。
ただ、週末とあって、持ち高調整の売りも散見され買い一巡後は伸び悩む場面もみられたが、調整が続いていたファーストリテの上昇が日経平均を支える形となり、2万8200円処での底堅さが目立った。
今週の日経平均は米国株の反発もあって戻りに転じている。しかし、先週の下げ幅1300円弱に比べ上げ幅は小さく今のところ強さはあまり感じらない。先週に割り込んだ26週移動平均線(2万8523円)上を今週は終値でまだ回復できず、この辺りにも調整が完了し切っていない様子。日経平均は週間では233円の上昇となり、週足では十字に近い陽線を形成した。
来週は一進一退の展開か。国内は材料に乏しく、米国マーケットにらみの状況が続くだろう。米国では5月消費者信頼感指数や1-3月期GDP改定値、4月耐久財受注など重要指標の発表が多い。米国株も足元で米国の長期金利に神経質な反応を示しており、指標結果に一喜一憂する展開が想定される。
3月決算発表が終わり日経平均の1株当利益(EPS)は1300円から2000円に5割以上もアップし、PERは14倍前後まで急低下。
今期予想では割高感が完全に払拭され、2万8000円以下ではPERが13倍台になるため逆に割安感が意識されるような状態。今期は現予想より下期にかけて業績が回復すると想定されるので、スタンスとしては中長期的な押し目買いスタンスが有効なのではないかと考える。目先は上がりにくい状況だが、今後の下値は限られそうで、じっくりと下値を見て拾っていくのが良いだろう。
■上値・下値テクニカル・ポイント(21日現在)
29508.41 ボリンジャー:+1σ(25日)
29217.65 75日移動平均線
29185.82 13週移動平均線
29172.16 均衡表雲下限(日足)
28854.99 25日移動平均線
28796.96 均衡表転換線(週足)
28641.07 均衡表基準線(日足)
28631.27 ボリンジャー:-1σ(13週)
28523.02 26週移動平均線
28337.08 均衡表転換線(日足)
28317.83 ★日経平均株価21日終値
28307.99 均衡表基準線(週足)
28201.57 ボリンジャー:-1σ(25日)
28129.45 6日移動平均線
28076.72 ボリンジャー:-2σ(13週)
27548.16 ボリンジャー:-2σ(25日)
27522.17 ボリンジャー:-3σ(13週)
27416.90 ボリンジャー:-1σ(26週)
26894.74 ボリンジャー:-3σ(25日)
26498.87 200日移動平均線
ザラ場安値は5日線を上回ったが、株価上方では25日線が下降を継続。ローソク足は胴体部分と上下のヒゲがいずれも短い「星」を示現して売り買いの拮抗状態を示唆している。
ボリンジャーバンド(25日ベース)では本日終値が-1σを上回って下値拡張リスクの後退を窺わせる一方で、一目均衡表では三役逆転後の弱気形状にあって転換線と基準線が下向きで終了。強弱感の対立で方向感が定まりにくい来週の相場を暗示している。
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