26日午前の日経平均株価は続伸し、前日比50円49銭高の2万8604円47銭で終えた。米国で過度なインフレ懸念が和らいでいる。米長期金利の上昇に一服感が出て、日本株の買い安心感につながった。国内で新型コロナウイルスのワクチン接種が進んでいることも下支え材料となった。
朝方は前日の米株安を引き継ぐ形で売りが先行したが、その後は主力ハイテク株を中心に買いが厚くなりプラス圏に切り返した。国内での新型コロナウイルス感染拡大に対する警戒感は強いものの、ワクチン接種の動きが進んでいることが市場のセンチメント改善につながっている。ただ、日経平均は一時150円以上の上昇をみせたが、定方向感の定まらない米株価指数先物などを横にらみに上値も重く、前場後半は上げ幅を縮小した。
「米長期金利の上昇一服に加え、中国や欧米に比べて景気回復に出遅れ感があった日本株に見直し買いが入っている」との見方を示した。ただ、内需にはまだ不透明な要素も残り「投資家の選別色は強い」という。
JPX日経インデックス400は続伸した。東証株価指数(TOPIX)は反落し、午前終値は0.05%安だった。
前引け時点の東証1部の売買代金は概算で1兆1473億円、売買高は5億3296万株だった。東証1部の値上がり銘柄数は721と、全体の3割強にとどまった。値下がりは1336、変わらずは125銘柄だった。
業種別株価指数(33業種)は空運業、サービス業、電気機器などが上昇。鉄鋼、パルプ・紙、電気・ガス業は下落した。
個別では、自己株取得数の上限引き上げを発表したデジタルHD、大量保有報告書で光通信が5.08%を保有する大株主になったことが明らかになったサニックス、24年3月期売上高545億円などを掲げた中期経営計画を発表した住友精密などが大幅に上昇した。そのほか、ZHD、IHI、スクリン、太陽誘電も買われた。
一方、前日に21年3月期の決算訂正を発表し、営業損益が1億円の黒字から6億円の赤字へと修正された曙ブレーキは大きく下落している。日本製鉄や神戸鋼は下落。日本郵政も売られた。
東証2部株価指数は前日比1.02ポイント安の7426.15ポイントと3日ぶり反落した。
出来高1億2533万株。値上がり銘柄数は152、値下がり銘柄数は215となった。
個別では、クロスプラス、ケー・エフ・シー、川本産業、情報企画、アサヒペンなど9銘柄が年初来安値を更新。旭コンクリート工業、東京ボード工業、ミズホメディー、ゼロ、スガイ化学工業が売られた。
一方、東京ソワールがストップ高。ジー・スリーホールディングス、アートスパークホールディングス、エス・ディー・エス バイオテック、KTC、岡本工作機械製作所など11銘柄は年初来高値を更新。アルメディオ、ピーエイ、ウェルス・マネジメント、石井表記、IJTTが買われた。
