NYダウ小反発、インフレ懸念後退

26日のNYダウ工業株30種平均は小反発し、前日比10ドル59セント高の3万4323ドル05セントで終えた。米国で新型コロナウイルスワクチンの接種が進み、経済活動の正常化が進むとの見方から景気敏感株中心に買いが入った。ただ、ダウ平均は過去最高値近辺にあり、短期的な利益確定売りも出て上値は重かった。
 
複数の米連邦準備制度理事会(FRB)高官が「インフレ率上昇は一時的」との見方を引き続き示していることから、市場ではインフレ加速や、早期の金融緩和策縮小への警戒感が和らいでいる。
この日もクオールズFRB副議長が、講演で同様の見解を表明。クオールズ氏は同時に、インフレ率や雇用動向が予想を上回れば、今後の連邦公開市場委員会(FOMC)で、資産購入額の調整の「検討を始めることが重要」とも述べた。
雇用回復の鈍さを懸念するFRBが、緩和的な金融政策を長引かせるとの観測も株式相場を下支えした。
 
米国では25日時点で18歳以上の半数に当たる1億2900万人が新型コロナワクチンの必要な回数の接種を完了した。バイデン米政権が掲げる7月4日の独立記念日までに国民生活を平常時に戻すとの目標に近づいているとの期待感が高まった。化学のダウや建機のキャタピラーなど景気敏感株が上げた。消費が活発化するとの見方から、娯楽・映画のウォルト・ディズニーとスポーツ用品のナイキも買われた。
 
ただ、相場の上値は重かった。高値警戒感から利益確定売りが出たうえ、ドラッグストアのウォルグリーン・ブーツ・アライアンスが4%安となってダウ平均の重荷となった。ネット通販のアマゾン・ドット・コムが薬局の実店舗展開を検討していると伝わり、競争激化が懸念された。
 
ナスダック総合株価指数も反発し、前日比80.822ポイント高の1万3737.996で終えた。電気自動車のテスラが2%上昇した。マイクロン・テクノロジーやアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)など半導体関連株も買われた。
 
 
NYダウ工業株30種(ドル)
34,323.05+10.59
S&P500種
4,195.99+7.86
ナスダック
13,737.996+80.822
NY金(ドル/トロイオンス)
1,903.80+3.30
NY原油(ドル/バレル)
66.16+0.09
円・ドル
109.11 – 109.14+0.28
 
 


【シカゴ日本株先物概況】

26日のシカゴ日経平均先物は反発した。
6月物は前日比205円高の2万8610円で引け、26日の大取終値を20円上回った。
NYダウは、新型コロナワクチンの接種が進み、経済活動の正常化を後押しするとの見方から、寄り付き後、上昇。買いが先行して始まったが、買いが一巡すると伸び悩んだ。高値圏にあるNYダウは、利益確定の売りも出やすく、上値が重い。午後に入ると前日の終値近辺で推移した。25日の米株式市場で米株が反発し、日経平均先物に買いが波及した。
 
 
シカゴ日経225先物6月限 (円建て)
28610 ( +20 )
シカゴ日経225先物6月限 (ドル建て)
28615 ( +25 )
 ( )は大阪取引所終値比

【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7026.93(-2.86)
26日のFTSE100種総合株価指数は小幅に続落した。前日の終値に比べ2.86ポイント安の7026.93で引けた。手掛かり材料難の中、株価指数は終日小動きとなった。他の欧州主要国の株価指数も動意は乏しかった。
銀行や保険など金融株が売られ株価指数を押し下げる一方で、住宅建設株や鉱業株の上昇が下値を支えた。
 
個別銘柄では、品質試験サービスのインターテック・グループが5%安と目立った。不動産投資信託(REIT)のブリティッシュ・ランドは、3年連続で通期赤字となったことが嫌気され売られた。
半面、温室効果ガス排出量の大幅削減をオランダの裁判所に命じられた石油大手ロイヤル・ダッチ・シェルはA株(0.3%高)、B株(0.1%高)ともに小じっかり。特殊化学のクローダ・インターナショナルは上げた。アナリストが投資判断を「売り」から「買い」に2段階引き上げたことが好感された。
 
 
 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 15450.72(-14.37)
26日のドイツ株式指数(DAX)は4営業日ぶりに小反落した。終値は前日と比べて14.37ポイント(0.1%)安の1万5450.72だった。買いが先行したが、午後に下落に転じた。
 
個別では、ドイツ銀行と航空エンジン大手のMTUエアロ・エンジンズの下げが目立った。不動産のボノビアは買われた。
 
 
 
■フランス・パリ株価指数
CAC40 6391.60(+1.33)

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