NYダウ続伸141ドル高 景気敏感株に買い

27日のNYダウ工業株30種平均は続伸し、前日比141ドル59セント高の3万4464ドル64セントで終えた。
朝方発表の週間の米新規失業保険申請件数が市場予想より少なかった。雇用回復が続いているとの観測を後押しし、景気敏感株を中心に買いが優勢だった。
 
米労働省が午前発表した新規の週間失業保険申請件数は、40万6000件と、前週から減少。新型コロナウイルス感染拡大以降の最低の水準を更新した。市場予想も下回った。一方、1~3月期の米実質GDP改定値は、速報値から変更なかったものの、個人消費、設備投資が引き上げられた。ワクチン普及による経済活動の再開を背景に、雇用や景気の改善が続いていることを示した。
 
個別銘柄では航空機のボーイングが4%近く上昇した。欧州の同業エアバスが増産計画を発表し、航空機需要の回復を期待した買いが入った。航空機部品を手掛ける機械のハネウェル・インターナショナルも3%高。建機のキャタピラーも高い。経済再開の恩恵を受けやすい映画・娯楽のウォルト・ディズニーが買われ、米長期金利の上昇を受けて銀行のJPモルガン・チェースも高い。ダウ平均の上げ幅は一時285ドルに広がった。
 
ただ、朝高後は伸び悩んだ。長期金利が上昇すると相対的に割高感が意識されやすい高PER(株価収益率)のハイテク株は下げ銘柄が多かった。顧客情報管理のセールスフォース・ドットコムやスマートフォンのアップル、ソフトウエアのマイクロソフトが安い。
 
ナスダック総合株価指数は小反落し、前日比1.720ポイント安の1万3736.276で終えた。ネット通販のアマゾン・ドット・コムと検索サイトのアルファベットが安い。
 
 
NYダウ工業株30種(ドル)
34,464.64+141.59
S&P500種
4,200.88+4.89
ナスダック
13,736.276-1.720
NY金(ドル/トロイオンス)
1,898.50-5.30
NY原油(ドル/バレル)
67.19+0.34
円・ドル
109.81 – 109.82+0.72
 

 


【シカゴ日本株先物概況】

 
27日のシカゴ日経平均先物は続伸した。6月物は前日比240円高の2万8850円で引け、27日の大取終値を320円上回った。
米景気回復への期待から景気敏感株を中心に買われNYダウ工業株30種平均が続伸し、日経平均先物に買いが波及した。27日発表の週間の米新規失業保険申請件数が好調な雇用回復を示したと受け止められた。
 
 
シカゴ日経225先物6月限 (円建て)
28850 ( +320 )
シカゴ日経225先物6月限 (ドル建て)
28850 ( +320 )
( )は大阪取引所終値比

【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7019.67(-7.26)
27日のFTSE100種総合株価指数は3日続落した。前日の終値に比べ7.26ポイント(0.1%)安の7019.67で引けた。
米国株が寄り付きから堅調だったものの、英株価指数は売り買いが交錯した。世界経済の回復期待は根強いものの、ポンド高などが上値を抑える要因となった。
終日狭い範囲で推移した。構成銘柄の約6割が下落した。
 
個別銘柄では、石油株と時価総額の大きい食品・日用品のユニリーバの下落が株価指数を押し下げた。鉱業・化学のジョンソン・マッセイは3%超下落した。2021年3月期の営業利益が減少したことなどが嫌気された。たばこのインペリアル・ブランズの下げも目立った。
一方で、銅価格の上昇を背景に鉱業株が買われ指数の下値を支えた。鉱業のアントファガスタは5%近く上げた。欧州航空機大手エアバスの生産拡大が伝えられ、航空機エンジン製造大手ロールス・ロイスが3.9%高と買われた。
 
 
 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 15406.73(-43.99)
27日のドイツ株式指数(DAX)は続落した。終値は前日と比べて43.99ポイント(0.3%)安の1万5406.73だった。午後に上昇に転じる場面もあったが、その後再び下げた。
 
個別では、医薬・農薬大手のバイエルが下落した。除草剤の発がん性を巡る米国での訴訟で、提示した和解案が拒否されたことが材料視された。産業機器のシーメンスの下げも目立った。ドイツポストは買われた。
 
 
 
■フランス・パリ株価指数
CAC40 6435.71(+44.11)
その他の欧州の主要株式相場はまちまちだった。フランスの株価指数CAC40は終値ベースで2000年9月以来の高値で引けた。

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