28日午前の日経平均株価は大幅に反発し、前引けは前日比562円40銭高の2万9111円41銭だった。日経平均株価は急反発し、11日以来となる2万9000円台を回復、上げ幅は600円に迫る場面もあった。
前日のNYダウが続伸し最高値に迫るなか、東京株式市場でもリスク志向の買いが流入した。為替市場で1ドル=109円80銭台へ急激な円安が進行していることも追い風に働いた。
米国で大規模なインフラ投資などによって景気回復が一段と鮮明になるという見方から日本株にも買いが向かった。値がさ株に加えて機械や鉄鋼といった景気敏感セクターの上昇が目立った。
日本株独自の上昇要因としては、前日にMSCIの銘柄入れ替えに伴う指数イベントを通過し、需給不安が後退したのも大きかった。目先の相場は上がりやすくなるとみた短期筋の買いが強まり、株価指数先物主導で現物株も上値を試す展開となった。
バイデン米大統領が2022会計年度の予算案で6兆ドル(約660兆円)の歳出を求める計画だと伝わった。債券市場では国債増発による金利上昇を意識させた半面、株式市場ではインフラ投資などの拡大で米景気の回復が加速すると受け止める向きがあったようだ。機械や鉄鋼など米景気回復の恩恵を受けられると期待されやすいセクターへの買いが目立った。
JPX日経インデックス400と東証株価指数(TOPIX)はともに反発した。前引け時点の東証1部の売買代金は概算で1兆4432億円、売買高は6億3476万株だった。東証1部の値上がり銘柄数は1710と、全体の78%を占めた。値下がりは400、変わらずは80銘柄だった。
業種別株価指数(33業種)は鉄鋼、機械、非鉄金属などが上昇。下落はパルプ・紙だけだった。
個別銘柄では、ソフトバンクグループやファーストリテイリングが高く、ファナック、任天堂、ソニーグループが値を上げた。東京エレクトロンや信越化、レーザーテックなど半導体関連の値がさ株が上昇。日本製鉄やJR東海も買われた。トヨタ自動車や日産自動車、ホンダなど自動車株が上昇した。
半面、サイバーエージェントや武田薬品工業、花王が安く、富士通や野村ホールディングス、キリンホールディングス、アドテスト、花王が値を下げた。
東証2部株価指数は前日比30.66ポイント高の7444.66ポイントと反発した。
出来高8784万株。値上がり銘柄数は209、値下がり銘柄数は153となった。
個別ではジー・スリーホールディングス、テクノマセマティカル、スーパーバッグ、日本ピグメント、上村工業など13銘柄が年初来高値を更新。日本アビオニクス、セキド、加地テック、北日本紡績、田岡化学工業が買われた。
一方、情報企画、旭コンクリート工業、タクミナ、京葉瓦斯が年初来安値を更新。TBグループ、アルメディオ、Jトラスト、グローバルダイニング、中北製作所が売られた。
