28日の日経平均は大幅反発。終値は前日比600円高の2万9149円で、今月10日以来の2万9000円台回復となった。
前日の米国株が上昇して買い戻しが先行。景気敏感株を中心にほぼ全面高の展開となった。米中を中心とした世界的な景気回復が続くとの見方から市場に買い安心感が広がっている。円相場が1ドル=110円に迫る下落を演じていることや、前日のMSCI銘柄入れ替えというイベントを通過して需給不安が後退したことも大きかったようだ。
また、国内での新型コロナワクチンの接種加速が見込めるとの見方のほか、時間外取引での米株先物が堅調に推移していることも支援材料になり、高値圏での推移が続いた。
本日の上げで相場環境はかなりの改善方向となった。
今週は、堅調となった。中盤までは物色は日替わりでやや不安定ではあったが、前の週からの戻り基調が継続。日経平均は場中の動きが良く、2万8500円台を回復したことで下値不安が和らいだ。
27日にはMSCIの銘柄入れ替えに伴う売り需要を警戒して下落。グロース・バリュー株ともに崩れたことで、センチメントの悪化が警戒された。ただ、これを消化した後の28日は、円安進行も追い風に600円高と大幅上昇。節2万9000円も大きく上回り、週間でも大幅高となった。
日経平均は週間では831円の上昇となり、週足では2週連続で陽線を形成した。
来週は一進一退の展開か。
米国は月曜31日が休場で、週末には5月の雇用統計の発表が控えている。雇用統計が強い内容となった場合、市場は6月のFOMC(6/15~16)で量的緩和縮小に関する材料が出てくるとの見方を強めてくるだろう。通常月よりも注目度が高まるため、米国株もこれを前に様子見姿勢が強まる可能性が高いだろう。
日経平均は今週2万9000円台を回復してきたことで、下値に関しては堅くなると考える。ただ、しばらく3万円より下でもたついたため、ここから一段と上を試しに行くところでは戻り売りも出てくると思われる。月曜は5月最終日で下げの特異日でもある。
大きく上昇した後でも方向感は定まりづらく、中盤以降は雇用統計を前にこう着ムードが強まると予想する。
大和証券は27日付で日本の主要企業の2021年度、22年度の経常利益の伸び率の予想を上方修正し、金融を除きそれぞれ18.2%増、14.8%増(前回比ではそれぞれ5.3ポイント、6.1ポイント増額)としており、先行きの業績向上観測も下支え要因になる。
引き続き、日米欧での新型コロナウイルスワクチン接種の進展の先にある、経済活動の正常化という長期的な見通しを前提に、相場はその時々の物色動向に応じたアップダウンが見込まれるが、日経平均株価に関しては、ひとまず13日の取引時間中の安値2万7385円が当面の底になりそうだ。
■上値・下値テクニカル・ポイント(28日現在)
29751.03 ボリンジャー:+1σ(13週)
29692.54 ボリンジャー:+2σ(25日)
29665.12 ボリンジャー:+1σ(26週)
29611.21 均衡表雲上限(日足)
29511.55 均衡表雲下限(日足)
29246.37 75日移動平均線
29199.93 13週移動平均線
29171.27 ボリンジャー:+1σ(25日)
29149.41 ★日経平均株価28日終値
28796.96 均衡表転換線(週足)
28650.00 25日移動平均線
28648.83 ボリンジャー:-1σ(13週)
28619.36 26週移動平均線
28596.52 均衡表基準線(日足)
28596.17 6日移動平均線
28520.80 均衡表基準線(週足)
28508.04 均衡表転換線(日足)
28128.73 ボリンジャー:-1σ(25日)
終値は25日線を上放れて2万9000円を突破。5月12日に陰転したパラボリックが買いサイン点灯を開始した。ローソク足はマドを空けて上昇し、上下のヒゲが短い大陽線でもみ合い離脱を印象付けた。
一目均衡表では週明け31日の変化日到来を前にセオリー通りの急動意。転換線が上向きで大引けを迎えて上昇継続を示唆したほか、本日終値比横ばいなら31日に遅行線が強気シグナル発生を再開することになる。
ただ、株価は依然として雲下にあって依然として売り手優位の形状であり、下降中の25日線が戻り売り圧力の強さを暗示する。ボリンジャーバンド(25日ベース)で本日終値が+1σ下にとどまっており、本日の急伸が短期的なレンジ上限確認に終わるリスクも意識される。
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