1日のNYダウ工業株30種平均は小幅に4日続伸した。3連休前の前週末に比べ45ドル86セント(0.1%)高の3万4575ドル31セントで終えた。新型コロナワクチンの普及が進み、旅行・レジャーを中心に経済活動の再開を後押しするとの見方が強まった。景気敏感株を中心に買いが優勢だった。
米疾病対策センター(CDC)によると、必要な回数のワクチン接種を完了した成人は、全体の半数に達し、6割強が少なくとも1回の接種を終えた。新規感染者数も減少傾向を維持している。市場では、夏のレジャーシーズンを控え、経済活動の再開が進展するとの期待から、娯楽関連や景気変動の影響が大きい銘柄を中心に、買いが先行した。
米サプライ管理協会(ISM)が午前発表した5月の製造業購買担当者景況指数(PMI)は61.2と、市場予想を上回ったことも相場の支えとなった。
旅行需要の回復で航空機の出荷が増えるとの見方から航空機のボーイングが3%上昇し、ダウ平均を押し上げた。レジャーや消費関連株の一角も買われ、クレジットカードのアメリカン・エキスプレスと娯楽・映画のウォルト・ディズニーも高い。
製造業の業績好調が続いており、景気への楽観につながった。景気敏感株が買われ、金融のゴールドマン・サックス、化学のダウや建機のキャタピラーが上昇した。夏場のガソリン需要が増えるとの見方から米原油先物相場が一時2年7カ月ぶりの高値をつけ、シェブロンなど石油株も総じて買われた。
ダウ平均は取引開始直後に一時319ドル高の3万4849ドルまで上昇し、5月7日に付けた過去最高値(3万4777ドル76セント)を上回った。ただ、朝高後は伸び悩んだ。米長期金利が1.6%台に上昇し、長期金利上昇が株価の逆風になりやすい高PER(株価収益率)銘柄には売りも出た。
ソフトウエアのマイクロソフトとスマートフォンのアップルが小安い。ディフェンシブ株の下げも目立った。医薬品・日用品のジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)と日用品のプロクター・アンド・ギャンブル(P&G)が売られ、ダウ平均の重荷となった。
ナスダック総合株価指数は小反落した。前営業日比12.261ポイント安の1万3736.478で終えた。電気自動車のテスラと動画配信のネットフリックスが安い。
NYダウ工業株30種(ドル)
34,575.31+45.86
S&P500種
4,202.04-2.07
ナスダック
13,736.478-12.261
NY金(ドル/トロイオンス)
1,905.00-0.30
NY原油(ドル/バレル)
67.91+0.19
円・ドル
109.47 – 109.48-0.01
【シカゴ日本株先物概況】
1日のシカゴ日経平均先物は下落した。6月物は前営業日の5月28日に比べ275円安の2万8745円で引け、1日の大取終値を15円下回った。
米サプライマネジメント協会(ISM)が1日発表した5月の米製造業景況感指数は前月比で上昇し、景気回復を見込む買いが入る場面もあった。
新型コロナワクチンの普及による経済活動の正常化期待で寄り付き後、上昇。景気敏感株が買われたほか、原油価格の上昇を受けて、エネルギー株も好調だった。ダウは一時、最高値を上回ったが、高値圏では利益確定の売りも強く、上値が重かった。ナスダック総合株価指数の下げが嫌気された。
シカゴ日経225先物6月限 (円建て)
28745 ( -15 )
シカゴ日経225先物6月限 (ドル建て)
28750 ( -10 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7080.46(+57.85)
1日のFTSE100種総合株価指数は続伸した。前営業日である5月28日の終値に比べ57.85ポイント(0.8%)高の7080.46で引けた。英住宅金融大手ネーションワイドが発表した5月の住宅価格指数など英国の経済指標が良好だったことを好感し、買いが先行した。午後に上げ幅をやや縮めた。構成銘柄の約7割が上昇した。
鉱業株が軒並み大幅高となり株価指数の上げに大きく影響した。原油相場の上昇を背景に石油株も買われ、指数の押し上げ要因となった。
個別銘柄では、鉱業のアングロ・アメリカンとアントファガスタの上昇が目立った。鉱業・化学のジョンソン・マッセイは、アナリストによる株価目標引き上げなどが好感され買われた。資源大手BHPグループが3.6%高と上げを主導した。
一方、銀行のHSBCホールディングスとファッションのバーバリー・グループは下落した。
金融大手HSBCホールディングスが2.0%安、高級衣料バーバリーが1.3%安、ロンドン証券取引所グループが1.2%安、製薬大手アストラゼネカが1.1%安とさえなかった。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 15567.36(+146.23)
1日のドイツ株式指数(DAX)は反発した。終値は前日と比べて146.23ポイント高の1万5567.36と、終値ベースで過去最高値を更新した。世界的な景気回復が続くとの期待感から買いが広がった。
個別銘柄では、鉱自動車のダイムラーが買われた。同社は1日、特許をめぐる訴訟でフィンランドの通信機器大手ノキアに特許使用料を支払うことで和解したと発表したことが好感された。タイヤのコンチネンタルの上昇も目立った。一方、医薬・化学大手の独メルクは下落した。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 6489.40(+42.23)
フランスの株価指数CAC40は終値ベースで2000年9月以来の高値で引けた。
