2日午前の日経平均株価は反発し、午前の終値は前日比132円50銭高の2万8946円84銭だった。
朝方は売り買いが交錯し方向感の定まらない展開となったが、前場中盤以降は徐々に水準を切り上げた。前日の欧米株市場が総じて堅調な値動きを示したこともあって、目先値ごろ感からの押し目買いが優勢となった。国内では買い手掛かり材料に乏しいものの、新型コロナワクチンの普及が進んでいることが市場心理を改善させている。原油相場の上昇を受けて石油関連株にも買いが入った。
コロナワクチンを巡っては国内では足元で高齢者への接種が進むほか、21日からは職場などでの接種が始まる見通しだ。経済活動の正常化に向けて前進するとみられ、景気敏感株を中心に幅広い銘柄に買いが入った。最近の感染状況を踏まえ、欧州連合(EU)が日本発の渡航を解禁する見通しと報じられたのも支援材料になった。
代表的銘柄のトヨタが連日で上場来高値を更新し、投資家の買い安心感につながった面もある。市場では「自動車産業は関連産業の裾野も広く、素材・部品を手掛ける銘柄にも物色が波及していくとの期待がある」との指摘があった。
JPX日経インデックス400と東証株価指数(TOPIX)は続伸した。
前引け時点の東証1部の売買代金は概算で1兆4033億円、売買高は6億5564万株だった。東証1部の値上がり銘柄数は1305と、全体の約6割を占めた。値下がりは776銘柄、変わらずは109銘柄だった。
個別ではトヨタ自動車が商いを伴い高く、レーザーテック、JR西日本やINPEX、大日本住友なども上昇した。任天堂が堅調、信越化学工業も買われた。三菱UFJフィナンシャル・グループなどメガバンクも強い。ポプラ、イーブックイニシアティブジャパンなどが値を飛ばした。
半面、ファーストリテイリングが軟調、東京エレクトロン、スクリンも売りに押された。メディアドゥ、生化学工業は急落、ニトリホールディングス、オリンパス、ダイキンの下げも目立った。
東証2部株価指数は前日比34.04ポイント高の7511.79ポイントと4日続伸した。
値上がり銘柄数は214、値下がり銘柄数は166となった。
個別では、フュートレック、コメ兵ホールディングス、クリヤマホールディングス、ジー・スリーホールディングス、スーパーバッグなど18銘柄が年初来高値を更新。セコム上信越、東京ラヂエーター製造、東京ソワール、ワシントンホテル、日本アビオニクスが買われた。
一方、旭松食品、旭コンクリート工業、ニッセイが年初来安値を更新。東京ボード工業、テクノマセマティカル、アルメディオ、川口化学工業、リミックスポイントが売られた。
