NYダウ6日ぶり小反落、雇用統計控え様子見

 
3日のNYダウ工業株30種平均は小幅に6営業日ぶりに反落し、前日比23ドル34セント(0.1%)安の3万4577ドル04セントで終えた。市場予想を上回る米経済指標が相次ぎ、長期金利が上昇した。これを受けて金融株が買われた半面、高PER(株価収益率)のハイテク株が売られて相場の重荷となった。
 
ダウ平均は序盤、強い米経済指標を手掛かりに、マイナス圏で推移。雇用関連指標などの改善を受けて、米連邦準備制度理事会(FRB)が量的緩和策の縮小議論を始める時期が早まるとの懸念が、投資家の間で強まった。
5月のADP全米雇用報告では、非農業部門の民間就業者数が前月比97万8000人増と、約1年ぶりの高水準。最新週の新規失業保険申請件数は、新型コロナウイルス感染拡大以降、初めて40万件を下回った。また、サプライ管理協会(ISM)の5月の米サービス業購買担当者景況指数(PMI)は64.0と、過去最高を記録した。
良好な経済指標が相次ぎ、4日発表の5月の雇用統計が米労働市場の順調な回復を示すとの見方を誘った。
 
3日の米債券市場で長期金利が1.6%台に上昇した。高PERのハイテク株が割高感から売られ、ダウ平均の重荷となった。顧客情報管理(CRM)のセールスフォース・ドットコムは2%安、スマートフォンのアップルは1%下げた。インテルなど半導体株も総じて安い。このところ株価が上昇していた航空機のボーイングやクレジットカードのビザなど景気敏感株の一角も売られた。
 
一方、長期金利の上昇を受け、利ざや拡大の見方からゴールドマン・サックスなど金融株が買われて相場を支えた。化学のダウや製薬のメルクも上げた。
 
米ワシントン・ポスト(電子版)が13日午前、「バイデン米政権がインフラ投資計画を巡る米議会共和党との協議で、財源となる連邦法人減税の引き上げで譲歩する姿勢を示した」と報じた。増税が米企業収益を圧迫するとの懸念がやや和らぎ、ダウ平均は上げに転じる場面もあった。
 
ナスダック総合株価指数は反落し、前日比141.820ポイント(1.0%)安の1万3614.507で終えた。ネット通販のアマゾン・ドット・コムや電気自動車(EV)のテスラなど高PER銘柄が下げた。
 
 
NYダウ工業株30種(ドル)
34,577.04-23.34
S&P500種
4,192.85-15.27
ナスダック
13,614.507-141.820
NY金(ドル/トロイオンス)
1,873.30-36.60
NY原油(ドル/バレル)
68.85+0.04
円・ドル
110.30 – 110.32+0.47

 


【シカゴ日本株先物概況】

 
3日のシカゴ日経平均先物は続伸した。6月物は前日比120円高の2万8995円で引けた。大取終値は75円下回った。市場予想を上回る米経済指標が相次いだ影響で長期金利が上昇し、ナスダック総合株価指数は反落したが、影響は限定的だった。4日発表の5月の米雇用統計を見極めたいと向きも多く、様子見ムードが優勢となり方向感に欠いた取引が続いた。
 
シカゴ日経225先物6月限 (円建て)
28995 ( -75 )
シカゴ日経225先物6月限 (ドル建て)
28990 ( -80 )
 ( )は大阪取引所終値比
 
 

【欧州株式市場】

 
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7064.35(-43.65)
3日のFTSE100種総合株価指数は4営業日ぶりに反落した。前日の終値に比べ43.65ポイント(0.6%)安の7064.35で引けた。構成銘柄の約7割が下落した。
経済回復への期待に伴う買いは一巡。英国の新型コロナウイルスに関する規制解除が遅れる可能性が報じられたことで、利益確定売りが先行した。オアンダのソフィー・グリフィス氏は「良好だった欧州の経済指標は消化され、投資家は(雇用統計など)米経済指標を注視している」と語った。
前日まで上昇基調が続いたこともあり売りが出やすかった。金属相場の下落を受けて、主力の鉱業株が売られ相場の重荷になった。
 
個別銘柄では、金関連のフレスニージョの下げが目立った。ブリティッシュ・エアウェイズを傘下に持つ航空大手のインターナショナル・エアラインズ・グループ(IAG)は5%超安となった。英国で新型コロナのインド型変異ウイルスの感染が拡大傾向にあり、海外旅行の行動規制が長期化するとの懸念が再燃した。業績の先行きに慎重な見方を示した小売りのB&Mヨーロピアン・バリュー・リテールも安かった。
 
一方、特殊化学のジョンソン・マッセイは、アナリストの目標株価の引き上げを手掛かりに2.3%高、資産運用大手スタンダード・ライフが1.6%高、配管・暖房流通大手ファーガソンが1.5%高と買われた。
 
 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 15632.67(+29.96)
3日のフランクフルト株式市場で、ドイツ株式指数(DAX)は3日続伸した。終値は前日と比べて29.96ポイント高の1万5632.67と、連日で終値ベースで過去最高値となった。
午前は売りが優勢だったが、午後に買い圧力が強まった。3日に相次いで発表された米経済指標が良好となり、投資家心理が上向いた。
 
個別では、前日に引き続き自動車株が上昇し、BMWは大幅高で引けた。料理宅配大手のデリバリーヒーローと航空エンジン大手のMTUエアロ・エンジンズの下げが目立った。
 
 
■フランス・パリ株価指数
CAC40 6507.92(-13.60)
フランスの株価指数CAC40は下落した。
 
 

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