NYダウ3日続伸164ドル高 連日の最高値

 
16日のNY ダウ工業株30種平均は3日続伸し、前日比164ドル68セント高の3万4200ドル67セントで終えた。
朝方は高値警戒感から利益確定売りが先行した。だが、米長期金利の上昇一服でハイテク株が買われる中、じりじりと値を戻し、取引終盤は終値の史上最高値に迫った。
 
朝方発表された最新週の新規失業保険申請件数は1万6000件増の74万4000件と、2週連続で悪化。市場予想(68万件)も上回ったが、株式市場への直接的な影響は限られた。
 
16日発表の3月の米住宅着工件数が前月比19.4%増の173万9000戸(年率換算)と市場予想を大幅に上回り、2006年以来の水準となった。4月の米消費者態度指数(速報値)は20年3月以来の高さだった。今週は市場予想を上回る経済指標が相次ぎ、米景気回復期待が強まった。中国の21年1~3月の実質国内総生産(GDP)が前年同期比18.3%増と高い伸びとなったのも買いを誘った。
 
米国ではコロナワクチンの1日当たりの接種が300万人を超える日が続いている。ワクチンを1回でも接種した人口は米全体の4割近くなり、複数の州で5割に近づいたと伝わった。
 
米連邦準備理事会(FRB)のウォラー理事が16日のCNBCのインタビューで今年の米経済に楽観を示した一方、早期の金融緩和縮小には慎重な姿勢を示した。金融緩和の長期化観測が広がり、株の買い安心感につながっている。
 
企業のIT(情報技術)投資拡大を見込み、アナリストが投資判断を引き上げたネットワーク機器のシスコシステムズが高い。消費拡大の恩恵を受けるとしてホームセンターのホーム・デポも買われた。今週は低下基調にあった長期金利が上昇し、金融のゴールドマン・サックスやJPモルガン・チェースも高い。
 
一方、航空機のボーイングが下げた。小型機「737MAX」の電気系統の不具合で前週に航空会社16社に運航見合わせを通達した件で、当初の想定より問題が深刻になる可能性があると報じられた。
 
ナスダック総合株価指数は続伸し、前日比13.579ポイント高の1万4052.342で終えた。過去最高値(1万4095.473)を付けた2月12日以来の高値で終えた。ソフトウエアのマイクソロフトが上場来高値を付け、ネット通販のアマゾン・ドット・コムも上げた。
 
一方、米長期金利低下を受けて前日に買われたスマートフォンのアップルは下げて終えた。前日に上げが目立った半導体関連も売られた。
 
S&P500種株価指数は続伸し、前日比15.05ポイント(0.4%)高の4185.47と連日で最高値を更新した。
 
 
 
NYダウ工業株30種(ドル)
34,200.67+164.68
S&P500種
4,185.47+15.05
ナスダック
14,052.342+13.579
NY金(ドル/トロイオンス)
1,780.20+13.40
NY原油(ドル/バレル)
63.07-0.39
円・ドル
108.76 – 108.78-0.05

 


【シカゴ日本株先物概況】

16日のシカゴ日経平均先物は小幅に続伸した。6月物は前日比45円高の2万9795円で引け、16日の大取終値を65円上回った。

好調な米景気指標の発表が相次ぎ、景気の早期回復を見込む買いが入った。16日発表の3月の米住宅着工件数は2006年以来の高水準だった。16日のNYダウ工業株30種平均は市場予想を上回る決算発表や経済指標の改善を受けて景気回復期待が続き過去最高値を連日で更新し、日経平均先物にも買いが波及した。
 

【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
16日のFTSE100種総合株価指数は長期金利の低下や米欧株価の持ち直しを眺めて引け際に急伸し、4営業日続伸した。
前日の終値に比べ36.03ポイント(0.5%)高の7019.53で引けた。終値ベースでは2020年2月以来、1年2カ月ぶりの高値となった。構成銘柄の約6割が上昇した。
英国と米中両国の景気が回復するとの期待感から買いが広がった。銀行株とたばこ株が買われ、株価指数を押し上げた。
 
個別銘柄ではロシアの鉄鋼大手エブラズの上昇が目立った。スーパーマーケットのテスコと通信のBTグループはそれぞれ、アナリストによる株価目標引き上げなどが好感され買われた。
一方、ロンドン証券取引所(LSE)グループは売られた。英保険大手アビバは3.1%安、アイルランド段ボール大手スマーフィット・カッパは2.5%安、英包装資材DSスミスは2.4%安、英石油大手BPは2.3%安、英・オランダ系石油大手ロイヤル・ダッチ・シェルA株は2.2%安とふるわなかった。

■ドイツ・フランクフルト株価指数
16日のドイツ株式指数(DAX)は続伸した。終値は前日と比べて204.42ポイント(1.3%)高の1万5459.75となり、終値ベースで連日で過去最高値を更新した。
米中両国の堅調な経済指標を受けて世界景気の回復が期待され、買いが広がった。
 
個別では、産業機器のシーメンスは、アナリストによる株価目標引き上げが好感され買われた。自動車のフォルクスワーゲン(VW)とダイムラーの上げも目立った。
一方、下落したのは、ドイツ取引所とミュンヘン再保険の2銘柄だけだった。シーメンス・エナジーは横ばいだった。

■フランス・パリ株価指数
CAC40(仏)6,287.07 +52.93
フランスの株価指数CAC40は連日で2000年11月以来の高値水準(終値ベース)となった。

 

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