22日午前の日経平均株価は大幅に反発した。午前終値は前日比591円38銭(2.1%)高の2万9099円93銭だった。
前日の欧米株高を受け広範囲に買い戻される展開となり、日経平均は大幅反発し2万9000円台を回復した。前場取引終了時点で591円高は前日の下げ分と合致する。
世界的な新型コロナウイルスの感染再拡大が警戒され世界景気回復期待に水を差す形となっていたが、米国ではワクチン接種が急速に進んでいることを背景に景気敏感株が買い戻された。
東京株式市場では、前日までの2営業日で日経平均が1200円近い下落をみせていたこともあり、朝方からそのリバウンドを狙った買いが入り、空売り買い戻しを絡め寄り後も次第高の展開となった。
オランダ半導体製造装置大手ASMLホールディングの好決算を受け、東京株式市場では値がさの半導体関連株への買いが目立った。米株価指数先物が日本時間22日の時間外取引で上昇したのも日経平均を押し上げた。
新型コロナウイルスの感染拡大は内需関連を中心に重荷となっている。だが、「日本株は欧米に比べ出遅れ感が出ており、好決算の発表を期待した先回り的な買いが入りやすかった」
という。
市場では「日経平均株価は3月の調整では75日移動平均線が支えとなったが、今回は同線(21日時点で2万9118円)を割り込んだことから、戻りのポイントとして意識されそう」との声が聞かれた。
東証株価指数(TOPIX)も反発し、午前終値は前日比1.8%高だった。JPX日経インデックス400も上昇した。
前引け時点の東証1部の売買代金は概算で1兆1140億円、売買高は5億3118万株だった。東証1部の値上がり銘柄数は1991と、全体の9割を占めた。値下がりは148、変わらずは47銘柄だった。
業種別株価指数(33業種)は海運業、鉄鋼、精密機器、電気機器などの上昇が目立った。下落は石油・石炭製品だけだった。
個別では、売買代金トップのソフトバンクグループが堅調、レーザーテック、東京エレクトロン、アドテストや信越化などの半導体製造装置関連株も買いを集めた。トヨタ自動車、ファーストリテイリングが値を上げ、ファナック、日本電産も上昇した。住石ホールディングスは商いを膨らませ値上がり率トップに買われた。日本電子も値を飛ばした。
半面、任天堂が売りに押され、オリックス、大日本住友やENEOS、出光興産も冴えない。コロプラが急落、TOKYO BASEも下値模索が続いている。明豊ファシリティワークスも利食われた。
東証2部株価指数は前日比69.49ポイント高の7472.02ポイントと4日ぶり反発した。
出来高1億4471万株。値上がり銘柄数は284、値下がり銘柄数は90となった。
個別では、ジー・スリーホールディングスが一時ストップ高と値を飛ばした。アートスパークホールディングス、Abalance、ミズホメディー、セブン工業、セキドなど6銘柄は年初来高値を更新。日本製罐、カワサキ、東邦金属、黒田精工、フレンドリーが買われた。
一方、さいか屋が一時ストップ安と急落した。サンテック、ケー・エフ・シー、パス、さくらケーシーエス、相模ゴム工業など7銘柄は年初来安値を更新。インタートレード、ビットワングループ、DNAチップ研究所、大丸エナウィン、川口化学工業が売られた。
