22日のNYダウ工業株30種平均は反落した。前日比321ドル41セント安の3万3815ドル90セントで終えた。午前中は前日終値近辺で推移していたが、昼ごろに米政権がキャピタルゲイン課税の税率を大幅に引き上げる方針だと伝わると売りが膨らんだ。下げ幅は一時400ドル超に広がった。
バイデン米大統領が富裕層に対するキャピタルゲイン税率の引き上げを提案する見通しだと伝わり、主要株価指数は取引中盤にそろって下落した。報道によれば、同税率を現在の倍近い39.6%に引き上げることを来週提案する見通し。
年収100万ドル以上の富裕層が対象で、現行の20%からほぼ2倍になる見通し。来週発表予定の教育や医療・介護分野のインフラ投資計画「アメリカン・ファミリープラン」の財源に充てる。
また、この日1~3月期決算を発表した化学大手ダウが大幅安となったほか、世界的な新型コロナウイルス感染再拡大への懸念も重しとなり、ダウ平均は終日マイナス圏で推移した。
過去の株価上昇で含み益が大きい銘柄は税率引き上げ前に売られやすいとの見方から、主力ハイテク株に下げが広がった。ソフトウエアのマイクロソフトやスマートフォンのアップルが安い。化学のダウは6%下げた。朝方に発表した決算は市場予想を上回ったが、材料出尽くしの売りに押された。JPモルガン・チェースなど金融株も総じて安い。
ナスダック総合株価指数は反落した。前日比131.805ポイント安の1万3818.413で終えた。SNS(交流サイト)のフェイスブックやインターネット通販のアマゾン・ドット・コムの主力ハイテク株が売られた。マイクロン・テクノロジーなど半導体株の下げも目立った。
NYダウ工業株30種(ドル)
33,815.90-321.41
S&P500種
4,134.98-38.44
ナスダック
13,818.413-131.805
NY金(ドル/トロイオンス)
1,782.00-11.10
NY原油(ドル/バレル)
61.79+0.36
円・ドル
107.96 – 107.97+0.06
【シカゴ日本株先物概況】
22日のシカゴ日経平均先物は小幅に上昇した。6月物は前日比30円高の2万8915円で引け、22日の大取終値を205円下回った。
バイデン米大統領が富裕層に対するキャピタルゲイン課税を強化することが報じられたことから、午後に入り相場は急落。NYダウは一時400ドルを超す下落となった。キャピタルゲイン課税は従来の約2倍に引き上げる方針と伝えられた。ナスダック指数も下落した。
シカゴ日経225先物6月限 (円建て)
28915 ( -205 )
シカゴ日経225先物6月限 (ドル建て)
28935 ( -185 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 6938.24(+42.95)
22日のFTSE100種総合株価指数は続伸した。前日の終値に比べ42.95ポイント(0.6%)高の6938.24で引けた。構成銘柄の7割超が上昇した。
この日のFT指数は午後まで6880~6920のレンジで方向感なく推移。しかし、安寄りした米株価が持ち直し、その局面でポンドが下落したのを眺めて買い優勢に転じ、この日の高値圏で引けた。
個別では、ロシア金銀生産大手のポリメタル・インターナショナルの上げが目立った。2021年1~3月期の金の生産量が増加したとの発表を好感した。電力のSSEなど公益株やハイテク株も買われた。欧州航空大手インターナショナル・エアラインズ・グループ(IAG)は3.4%高、英不動産サイト大手ライトムーブは3.2%高だった。
一方、英航空・防衛大手BAEシステムズは5.0%安、メキシコ産金大手フレスニロは2.2%安、英ビジネス情報会社インフォーマは2.1%安、産銅大手アントファガスタは2.0%安とふるわなかった。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 15320.52(+124.55)
22日のドイツ株式指数(DAX)は続伸した。終値は前日と比べて124.55ポイント高の1万5320.52だった。
午後に上げ幅を広げた。欧州中央銀行(ECB)は22日、金融緩和策の継続を決めた。低金利策が長引くとの見方が広がり、買いが強まった。
個別では、電力のRWEやシーメンス・エナジーなどエネルギー株が上昇した。前日に下落した自動車株も上げた。素材メーカーのコベストロが安かった。医薬・農薬大手のバイエルは利益確定の売りで下げた。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 6267.28(+56.73)
