ダウ97ドル高と3日続伸、最高値更新 ナスダックは4日続落

5日のNYダウ工業株30種平均は3日続伸し、前日比97ドル31セント高の3万4230ドル34セントで終えた。2週間半ぶりに過去最高値を更新した。
 
景気回復期待を背景に、エネルギーや素材、金融などの景気敏感株が買われ、相場を下支えした。ここ最近売られていたハイテク株にもやや買い戻しが入り、おおむねプラス圏で推移した。ただ、株式市場全体は手掛かり材料難で方向感に乏しい展開となった。
イエレン米財務長官が前日、バイデン政権の成長戦略に関し、「景気が過熱しないよう金利がいくらか引き上げられる必要があるかもしれない」と発言し、株の売り材料になったとみられる。イエレン氏は別のインタビューで「(利上げを)予想したり勧めたりしたものではない」と発言を修正。投資家の間で安心感が広がった。
 
5日にロンドンの銅3カ月先物は10年3カ月ぶり、アルミニウム3カ月先物は3年ぶりの高値を付けた。米原油先物は小幅安で終えたが、2カ月ぶりの高値を付ける場面があった。商品市況が一段と強含み、石油のシェブロンや化学のダウ、鉱山機械を手掛ける建機のキャタピラーの上げが目立った。
 
米サプライマネジメント協会(ISM)が5日発表した4月の非製造業景況感指数は62.7と過去最高だった前月から1.0ポイント低下したが、好不況の境目である50を大きく上回った。市場予想を下回ったため発表直後のダウ平均は下げに転じたが「米景気の力強い回復基調に変わりはない」との受け止めが次第に広がった。
 
経済活動の正常化を見込み、金融や消費関連株が高い。金融のゴールドマン・サックスやJPモルガン・チェース、クレジットカードのアメリカン・エキスプレスが買われた。前日に売りが目立ったスマートフォンのアップルは買い直され、小幅高で終えた。
 
ダウ平均の構成銘柄以外では自動車のゼネラル・モーターズ(GM)が4%高と上昇が目立った。5日発表した1~3月期決算で、半導体不足が懸念される中で通期見通しを据え置いたのが好感された。
 
景気敏感株が買われる一方、ハイテク株はやや売り優勢だった。ナスダック総合株価指数は4日続落し、前日比51.078ポイント(0.4%)安の1万3582.425で終えた。ネット通販のアマゾン・ドット・コムや動画配信のネットフリックスの下げが目立った。
 
 
NYダウ工業株30種(ドル)
34,230.34+97.31
S&P500種
4,167.59+2.93
ナスダック
13,582.425-51.078
NY金(ドル/トロイオンス)
1,784.30+8.30
NY原油(ドル/バレル)
65.31-0.32
円・ドル
109.19 – 109.20+0.31
 

 


【シカゴ日本株先物概況】

5日のシカゴ日経平均先物は上昇した。
6月物は前日比355円高の2万9075円で引け、4月30日の大取終値を195円上回った。
 
投資家のインフレや利上げへの警戒感が後退し、寄り付き後、上昇。予想を上回った企業決算や商品価格高を受けたエネルギー関連株の上昇がけん引し、NYダウは終日堅調な展開となった。ハイテク株から景気循環株への移行が続き、ナスダック総合指数は下落した。
経済再開に伴う米景気回復への期待が広がり、買われた。5日のNYダウが過去最高値を更新し、日経平均先物に買いが波及した面もあった。
 
シカゴ日経225先物6月限 (円建て)
29075 ( +195 )
シカゴ日経225先物6月限 (ドル建て)
29090 ( +210 )
( )は大阪取引所終値比

【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7039.30(+116.13)
5日のFTSE100種総合株価指数は大幅に反発した。前日の終値に比べ116.13ポイント(1.7%)高の7039.30と、終値ベースで2020年2月下旬以来、約1年2カ月ぶりの高値で引けた。午後に上げ幅を広げた。構成銘柄の約8割が上昇した。
鉱業株が軒並み大幅高となり株価指数の上げに大きく影響した。
 
個別では、アナリストが株価目標を引き上げた鉱業のアングロ・アメリカンは6%超上昇した。建設資材のCRHの上げ5.3%高と目立った。スイス資源大手グレンコアは4.6%高、ロシア鉄鋼大手エブラズは3.9%高、英住宅大手テイラー・ウィンペイは3.7%高だった。
事業戦略の見直しを発表した特殊化学のクローダ・インターナショナルも買われた。
 
一方、ネット専業スーパーのオカド・グループは2.1%安と下落した。オランダのオンライン食品デリバリー大手ジャストイート・テークアウェイは1.2%安、製薬会社ヒクマ・ファーマシューティカルズは1.0%安とふるわなかった。
 
 
 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 15170.78(+314.30)
5日のドイツ株式指数(DAX)は反発した。終値は前日と比べて314.30ポイント(2.1%)高の1万5170.78だった。前日に大きく下げた後だけに、買い戻された。
 
個別では、ドイツポストは4%超上昇した。2021年の営業利益見通しを引き上げたことが好感された。素材メーカーのコベストロの上昇も目立った。料理宅配大手のデリバリーヒーローは大幅安だった。
 

 
■フランス・パリ株価指数
CAC40 6339.47(+87.72)
フランスの株価指数CAC40は終値ベースで2000年11月以来の高値で引けた。
 

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