15日午前の日経平均株価は続伸し、前引けは前週末比97円79銭(0.33%)高の2万9815円62銭だった。
前場の東京株式市場は、景気敏感株中心に買いが入り日経平均は続伸した。前週末の米国株市場では、大型追加経済対策が成立したことやワクチン普及加速を背景に景気回復期待が一段と強まり景気敏感株が買われたものの、米長期金利の上昇がグロース株売りにつながった。
東京株式市場でもこの地合いを引き継ぐ形となりハイテク株には下げる銘柄も目立った。
米金利の上昇でPBR(株価純資産倍率)が高い成長期待の高い銘柄には売りが目立った。前週末のフィラデルフィア半導体株指数の下落を受け、東エレクなど半導体関連株に売りが出た。もっとも下値では押し目買いが入り、日経平均の上げ幅は一時100円超えた。
一方で海運、空運、鉄鋼などの市況関連株に買いが集まり全体相場を支えた。
外国為替市場では、ドル・円相場が109円10銭台と、朝方の水準よりも円安方向にある。
中国国家統計局が15日発表した1~2月の工業生産高は前年同月比35.1%増と、ダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想(30.5%増)を上回ったが、中国景気が製造業を中心に好調との期待は高かったため現時点で相場への影響は限られている。
JPX日経インデックス400と東証株価指数(TOPIX)は上昇した。
前引け時点の東証1部の売買代金は概算で1兆4715億円、売買高は8億1728万株だった。東証1部の値上がり銘柄数は1608、値下がりは503、変わらずは81だった。
業種別株価指数(全33業種)は銀行業、輸送用機器、その他製品、海運業などが上昇し、情報・通信業と電気機器は下落した。
個別では、楽天が大量の買いで急騰し、日本郵政は堅調だった。三菱UFJ、三井住友は上伸した。郵船、トヨタ、ホンダ、SUBARUが値上がりし、デンソーもしっかり。任天堂、ソニーは小幅高。JAL、ANAが買われた。
半面、ソフトバンクGが売り物に押された。東エレク、日本電産が値下がりし、シャープは急落。キーエンス、ファナック、スクリン、太陽誘電が下げ、オムロンや富士通、ダイキンが売られた。
東証2部株価指数は前週末比34.24ポイント高の7477.42ポイントと5日続伸した。
出来高1億1840万株。値上がり銘柄数は262、値下がり銘柄数は145となった。
個別では、フジ日本精糖、カワサキ、ベルテクスコーポレーション、川岸工業、サンコーなど9銘柄が昨年来高値を更新。バイク王&カンパニー、リミックスポイント、千代田化工建設、パシフィックネット、那須電機鉄工が買われた。
一方、ストリーム、築地魚市場、クロスプラス、ヒラノテクシード、日建工学が売られた。
