NYダウ174ドル高、4日連続最高値=景気改善期待

15日のNYダウ工業株30種平均は7日続伸し、前週末比174ドル82セント高の3万2953ドル46セントと4日連続で過去最高値を更新した。7日続伸は昨年8月上旬以来の連続上昇記録。前週に米政府の追加経済対策が成立し、景気回復が勢いづくとみた買いが消費関連株を中心に入った。
 
米国では、新型コロナウイルスの感染者数が減少傾向にあり、経済活動の規制を緩和する動きが続いている。1人最大1400ドルの現金給付を盛り込んだ1兆9000億ドル規模の大型経済対策が先週成立。早期の景気回復への期待が続いており、景気変動の影響が大きい業種を中心に買いが先行した。
15日朝にニューヨーク連銀が発表した3月の製造業景況指数が市場予想を上回って前月から改善したのも、米景気の回復観測を強めた。
 
投資家心理も改善している。市場心理を測る指標となる米株の変動性指数(VIX)は一時20を下回った。終値は3%低下の20.03と2月12日以来の低水準だった。
 
個別ではスポーツ用品のナイキが3%高、ホームセンターのホーム・デポが2%高と消費関連銘柄の一角が買われた。スマートフォンのアップルは2%強上昇した。ワクチン接種事業への収益期待から、ドラッグストアのウォルグリーンズ・ブーツ・アライアンスも高い。ダウ平均の構成銘柄以外では、アメリカン航空グループなど空運株を含む旅行・レジャー関連株への買いが目立った。
 
ただ、ダウ平均は上値が重くなり、下げに転じる場面もあった。連日で過去最高値を更新し、過熱感から利益確定売りが出やすい。上昇が目立っていた化学のダウは2%安、航空機のボーイングも下げた。米原油先物相場が下落し、石油のシェブロンも安い。
 
ドイツやフランスなどが15日、英製薬アストラゼネカが開発した新型コロナワクチンについて接種を一時見合わせると発表した。血栓などの副作用の疑いがあるためといい、ワクチン普及への影響が懸念されたようだ。
 
ナスダック総合株価指数は反発し、前週末比139.843ポイント高の1万3459.708で終えた。エヌビディアなど半導体関連の上昇が目立った。交流サイトのフェイスブックと電気自動車のテスラは2%高。米長期金利が1.6%台前半と前週末終値と横ばい圏で推移し、長期金利上昇の懸念はやや薄れたのもハイテク株買いを支えた。
 
S&P500種株価指数は5日続伸し、前週末比25.60ポイント高の3968.94と、3日連続で過去最高値を更新した。
 
 
NYダウ工業株30種(ドル)
32,953.46+174.82
S&P500種
3,968.94+25.60
ナスダック
13,459.708+139.843
NY金(ドル/トロイオンス)
1,729.20+9.40
NY原油(ドル/バレル)
65.28-0.33
円・ドル
109.12 – 109.14-0.06
 

 


【シカゴ日本株先物概況】

15日のシカゴ日経平均先物は続伸した。6月物は前週末比85円高の2万9625円で引け、15日の大取終値を95円上回った。
米追加経済対策の成立で1人当たり最大1400ドルの現金給付が始まり、景気の回復力が高まるとの期待が広がった。15日のNYダウ工業株30種平均が4日続けて過去最高値を更新した。市場は16~17日開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)や18~19日の日銀の金融政策決定会合に注目している。FOMCの開催を控え、長期金利が伸び悩んだためハイテク株も上昇した。
 
この日の6月物高値は2万9715円、安値は2万9415円。
 
 
シカゴ日経225先物6月限 (円建て)
29625 ( +95 )
シカゴ日経225先物6月限 (ドル建て)
29660 ( +130 )
( )は大阪取引所終値比
 

【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 6749.70(-11.77)
15日のFTSE100種総合株価指数は3営業日ぶりに小反落した。前週末の終値に比べ11.77ポイント(0.2%)安の6749.70で引けた。株価指数は終日狭いレンジの動きだった。朝高で始まったが、その後は伸び悩み、午後に入ってマイナスに転じた。米連邦公開市場委員会(FOMC)や英中央銀行の金融政策委員会などを控えて様子見気分が強かった。
5割超の銘柄が上昇したが、石油や鉱業など商品関連株の下げが株価指数に影響した。
 
個別では、ロシア鉄鋼大手エブラズ(3.2%安)をはじめ、資源大手リオ・ティント(2.6%安)、BHPビリトン(2.1%安)など資源株が軒並み下落。資産運用のスタンダード・ライフ・アバディーンも大幅安だった。
 
半面、ブックメーカー(賭け屋)のフラッター・エンターテインメントは、アナリストによる株価目標引き上げなどが好感され7%近く上昇した。夏季の欧州域内の旅行需要を見越して、航空大手インターナショナル・エアラインズ・グループ(IAG)は2.5%高と買われた。
 
 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 14461.42(-40.97)
15日のドイツ株式指数(DAX)は続落した。終値は前週末と比べて40.97ポイント(0.3%)安の1万4461.42だった。上がって始まったが、午後には下落に転じた。
 
個別では、素材メーカーのコベストロと化学のBASFが売られた。半面、自動車のフォルクスワーゲンは買われた。同社は15日、2030年までに欧州に電気自動車(EV)用の電池工場を6カ所建設すると発表し、これが買い材料となった。
 
 
■フランス・パリ株価指数
CAC40 6035.97(-10.58)

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