NYダウ反発189ドル高、OMC後に上げ幅拡大

17日のNYダウ工業株30種平均は反発した。前日比189ドル42セント(0.6%)高の3万3015ドル37セントで終え、初めて3万3000台に乗せた。
米連邦準備理事会(FRB)は金融政策会合後に発表した金利見通しで、事実上のゼロ金利が少なくとも2023年末まで続くとの見通しを維持した。新型コロナウイルスの流行で打撃を受けた経済の回復には時間がかかると想定し、金融緩和を長期間続ける方針を示した。
市場の予想以上に「ハト派寄り」の内容だった。金融緩和の長期化が景気回復と株式市場への資金流入を後押しするとの見方が広がり、米株相場は会合後に一段高となった。
 
FRBのパウエル議長は記者会見で「雇用と物価上昇の目標が達成されるまで緩和的な金融政策を維持する」と改めて述べた。市場では23年中に1回の利上げ予想を示すとの見方もあったが、FRBはゼロ金利が続くとの予想を変えなかった。同時に発表した経済見通しでは21年の実質経済成長率を6.5%増と、昨年12月の前回予想(4.2%増)から大幅に上方修正した。
 
投資家心理を測る指標となる米株の変動性指数(VIX)は、前日比2.8%低い19.23と昨年2月以来の低水準で終えた。投資家が楽観に傾き、相場の先高観につながっている。金融緩和と追加経済対策の両輪で景気回復が加速するとの見方から景気敏感株が買われ、化学のダウは4%高、建機のキャタピラーと航空機のボーイングは3%高で終えた。ゴールドマン・サックスやJPモルガン・チェースなど金融株も高い。
 
ゼロ金利政策の長期化を好感し、ハイテクなど高PER(株価収益率)銘柄の一角にも買いが入った。スマートフォンのアップルとソフトウエアのマイクロソフトは下げて終えたが、FOMC後に下げ幅を縮めた。ダウ平均の構成銘柄以外では電気自動車のテスラが4%高で終えた。交流サイトのフェイスブックとネット通販のアマゾン・ドット・コムも高い。
 
ナスダック総合株価指数は3日続伸し、前日比53.636ポイント高の1万3525.203で終えた。米長期金利の上昇を嫌気して午前中には200ポイント近く下げる場面があったが、FOMC後に急速に持ち直してプラスに転じた。
 
 
NYダウ工業株30種(ドル)
33,015.37+189.42
S&P500種
3,974.12+11.41
ナスダック
13,525.203+53.636
NY金(ドル/トロイオンス)
1,727.10-3.80
NY原油(ドル/バレル)
64.58-0.02
円・ドル
108.82 – 108.83-0.33
 


【シカゴ日本株先物概況】

 
17日のシカゴ日経平均先物は続伸した。6月物は前日比115円高の2万9815円で引け、17日の大取終値を95円上回った。米連邦準備理事会(FRB)が17日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で、2023年末までゼロ金利政策を維持する方針を示し、買い安心感が広がった。米株式市場は上昇基調を強めNYダウは初の3万3000ドルに乗せたほか、S&P500種指数も最高値に上昇した。FOMC後の記者会見でパウエル議長は「景気回復は想定よりも早い」と指摘したことも投資家心理の改善につながった。
 
この日の6月物高値は2万9855円、安値は2万9625円。
 
 
シカゴ日経225先物6月限 (円建て)
29815 ( +95 )
シカゴ日経225先物6月限 (ドル建て)
29840 ( +120 )
( )は大阪取引所終値比
 
 

【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 6762.67(-40.94)
17日のFTSE100種総合株価指数は反落した。前日の終値に比べ40.94ポイント(0.6%)安の6762.67で引けた。構成銘柄の8割近くが下げた。
米連邦公開市場委員会(FOMC)や英中央銀行の金融政策委員会を控えて様子見気分が広がる中、総じて小動きだった。高値警戒感のある資源株を中心に売られ、1月の直近の高値に迫りながらも上値が重い展開となっている。
 
個別銘柄では、鉱業のアングロ・アメリカンの下げが目立った。オンライン食品販売オカド・グループは4.8%安と売りを浴びた。
半面、通信のBTグループは6%超上げた。高速通信規格「5G」向け電波の入札で、BT傘下のEEが80MHzを獲得したことが好感された。航空機エンジンのロールス・ロイスは、複数のアナリストが投資評価を引き上げたことから上昇した。
 
 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 14596.61(+39.03)
17日のドイツ株式指数(DAX)は続伸した。終値は前日と比べて39.03ポイント高の1万4596.61と、過去最高値(終値ベース)を更新した。
米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果発表を控え、様子見ムードから午前は小動きで推移した。午後にやや買いが強まった。
 
個別銘柄では、自動車のフォルクスワーゲン(VW)が11%上昇した。電気自動車(EV)の販売が伸び、2021年12月期は増収増益になるとの見通しを示したことが好感された。同業のBMWも、21年12月期の税引き前利益が大幅に増えるとの見通しを示し6%超上げた。半面、料理宅配大手のデリバリーヒーローは、アナリストが株価目標を引き下げたため売られた。
 
 
■フランス・パリ株価指数
CAC40 6054.82(-0.61)

 

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