NYダウ199ドル高、経済活動の再開期待

 
25日のNYダウ工業株30種平均は3日ぶりに反発し、前日比199ドル42セント高の3万2619ドル48セントで終えた。欧州で新型コロナウイルスの感染拡大への懸念から売りが先行した。売り一巡後は米経済の底堅さに着目した買いが景気敏感株を中心に入り、ダウ平均は引けにかけて上げ幅を広げる展開だった。
 
米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は朝方、米メディアのインタビューで「景気が完全に回復したとき」には金融緩和を縮小すると発言。量的緩和の減額の検討と受け止める向きもあり、ダウ平均は売りが先行して取引が始まった。欧州での新型コロナウイルス感染拡大への懸念も投資家心理を冷やした。
 
ただ、午後に入ると、新型コロナワクチンの普及などによる米景気の早期回復への期待を背景に、プラスに転じた。バイデン米大統領が記者会見で、4月末までのワクチンの接種目標を2億回と2倍に引き上げたことを好感。「月末に向けた投資家のポジション調整による買い」もあり、景気変動の影響が大きい銘柄を中心に株式に資金が流れ込んだ。
 
朝方に発表された週間の米新規失業保険申請件数は68万4000件と前の週から減少し、新型コロナの感染拡大で経済が急速に悪化した2020年3月中旬以降では最低水準だった。失業保険の受給者数も減少し、労働市場の回復ペースが早まっているとの見方が強まった。
 
景気敏感株が買われ、消費回復期待からクレジットカードのアメリカン・エキスプレスが3%上昇した。航空機のボーイングは3%高、化学のダウは2%高で終えた。一方、スポーツ用品のナイキは3%安。ウイグル族の強制労働問題に懸念を表明して中国の交流サイトで批判され、不買運動の懸念が高まった。
 
ナスダック総合株価指数も3日ぶりに反発し、前日比15.790ポイント(0.1%)高の1万2977.680で終えた。スマートフォンのアップルと電気自動車のテスラが反発。一方、アナリストが目標株価を引き下げた動画配信のネットフリックスは3%安と下げが目立った。ネット通販のアマゾン・ドット・コムも安い。
 
 
NYダウ工業株30種(ドル)
32,619.48+199.42
S&P500種
3,909.52+20.38
ナスダック
12,977.680+15.790
NY金(ドル/トロイオンス)
1,725.10-8.10
NY原油(ドル/バレル)
58.55-0.01
円・ドル
109.15 – 109.17+0.07
 

 


【シカゴ日本株先物概況】

25日のシカゴ日経平均先物は反発した。6月物は前日比525円高の2万8860円で引け、25日の大取終値を240円上回った。
米株が3日ぶりに反発し、日経平均先物にも買いが波及した。
バイデン大統領が就任後100日間のワクチン配給目標を従来の1億回分から2億回分に引き上げると発表したため経済活動再開への期待が再燃、NYダウは上昇に転じると、引けにかけ上げ幅を拡大した。
 
 
シカゴ日経225先物6月限 (円建て)
28860 ( +240 )
シカゴ日経225先物6月限 (ドル建て)
28885 ( +265 )
( )は大阪取引所終値比
 
 

【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 6674.83(-38.06)
25日のFTSE100種総合株価指数は反落した。前日の終値に比べ38.06ポイント安の6674.83で引けた。構成銘柄の半数以上が下落した。
 
欧州の新型コロナウイルスの感染拡大で、景気回復が遅れるとの警戒感が根強く売りが優勢だった。
景気敏感株の石油株や鉱業株、銀行株が相場の下げを主導した。鉱業株と石油株は資源相場の大幅下落も売り材料になった。
 
個別銘柄では、アントファガスタとスイス系資源大手グレンコアの下げが目立った。
ファッションのバーバリー・グループは大幅に下落した。一時下げ幅は前日比7%を超えた。ウイグル族の人権問題をめぐり、中国でスウェーデンのヘネス・アンド・マウリッツ(H&M)や米ナイキなどの海外のアパレル企業への批判が広がっており、同社にも不買運動の高まりが波及することが懸念された。
 
半面、前日に下落した医薬品株と住宅建設株は上昇した。景気動向に左右されにくいとされる公益株も堅調だった。住宅建設大手パーシモンは2.6%高、品質検査会社インターテックは2.2%高。英金融大手M&Gと住宅大手バラット・デベロップメンツはいずれも2.0%高と好調だった。
 
 
 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 14621.36(+10.97)
25日のドイツ株式指数(DAX)は小幅に反発した。終値は前日と比べて10.97ポイント(0.1%)高の1万4621.36だった。日中を通して売りが優勢だったが、引けにかけて上昇に転じた。
前日に下落した主力の自動車株に買いが入り、相場を押し上げた。
 
個別では、フォルクスワーゲン(VW)の上げが目立った。電力のエーオンは、アナリストが投資判断と目標株価を引き上げたことを受けて買われた。
 
一方で、アディダスは6.1%安と大幅に下落した。ウイグル族の強制労働問題に世界の大手アパレルが懸念を示したことについて中国内で批判が高まり、不買運動につながるとの警戒感が広がった。不動産株と料理宅配大手のデリバリーヒーローは続落した。
 
 
 
■フランス・パリ株価指数
CAC40 5952.41(+5.12)
フランスの株価指数CAC40は小幅高となった。

 

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