NYダウ続伸、98ドル高 連日最高値

29日のNYダウ工業株30種平均は3日続伸した。前週末比98ドル49セント(0.3%)高の3万3171ドル37セントで終え、連日で過去最高値を更新した。
 
ダウ平均は取引前半、金融株などが重しとなりマイナス圏で推移した。ただ、後半はボーイングが上昇をけん引し、プラス圏に浮上した。米サウスウエスト航空がボーイングの新型旅客機「737MAX」100機を新たに発注すると公表したことが買いを誘った。墜落事故を受けて同型機の運航が停止された2019年3月以降、最大の発注規模となる。
主力小型機の受注が伝わった航空機のボーイングが上昇し、ダウ平均を押し上げた。
 
米国の多くの州では高齢者や持病がある人に制限していたワクチン接種を幅広い住民に広げる動きが出ている。バイデン米大統領は29日の記者会見で、4月19日までに米国民の大人の90%が新型コロナウイルスのワクチンの接種を受けられるようになるとの見通しを示した。
 
エジプトのスエズ運河庁は29日、大型コンテナ船の座礁で遮断されていた運河の通航が再開したと発表した。貿易の混乱が正常化に向かうとの見方も投資家心理の改善につながった。
 
飲料のコカ・コーラや通信のベライゾン・コミュニケーションズが上げた。医薬品のメルクとアムジェンも買われた。サウスウエスト航空が主力小型機「737MAX」を100機購入することで合意したと発表したボーイングは2%高だった。
 
取引時間中には前週末終値を下回って推移する場面もあった。米投資会社アルケゴス・キャピタル・マネジメントが先週、保有株の下落で打撃を受けて大規模に投げ売りしたと伝わった。取引に関連した金融機関の損失が警戒され、金融株が軟調に推移した。JPモルガン・チェースが下げた。ダウ平均構成銘柄以外ではモルガン・スタンレーの下げが目立った。
 
 
ナスダック総合株価指数は3営業日ぶりに反落した。前週末比79.078ポイント(0.6%)安の1万3059.647で終えた。ソフトウエアのマイクロソフトが売られた。半導体製造装置のアプライドマテリアルズ(AMAT)などが下げた。
 
 
NYダウ工業株30種(ドル)
33,171.37+98.49
S&P500種
3,971.09-3.45
ナスダック
13,059.647-79.078
NY金(ドル/トロイオンス)
1,714.60-20.10
NY原油(ドル/バレル)
61.89+0.33
円・ドル
109.76 – 109.77+0.11
 

 


【シカゴ日本株先物概況】

29日のシカゴ日経平均先物は反落した。
6月物は前週末比85円安の2万9330円で引け、29日の大取終値を250円上回った。
朝方は売りが先行して始まった。その後、新型コロナウイルスのワクチン接種の普及により米景気の回復が進むとの期待から買いが入り、下げ幅を縮めた。
29日の米株式市場でNYダウ工業株30種平均は新型コロナウイルスワクチンの接種拡大による経済正常化期待が強く上昇した。連日で最高値を更新したことも、下値の堅さにつながった。
 
 
シカゴ日経225先物6月限 (円建て)
29330 ( +250 )
シカゴ日経225先物6月限 (ドル建て)
29360 ( +280 )
( )は大阪取引所終値比

【欧州株式市場】

 
 
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 6736.17(-4.42)
29日のFTSE100種総合株価指数は小幅に反落した。前週末の終値に比べ4.42ポイント(0.1%)安の6736.17で引けた。構成銘柄の約6割が下落した。
商品相場の下落を背景に鉱業株と石油株が売られ、ギャンブル関連株の下げとともに株価指数を押し下げた。アストラゼネカなど医薬品株の上昇は株価指数の下値を支えた。
 
個別銘柄では、ブックメーカー(賭け屋)のフラッター・エンターテインメントは大幅安で下落率トップだった。アナリストが投資判断を引き下げた住宅建設のバラット・ディベロップメンツも売られた。産銅大手アントファガスタ(2.4%安)など資源株も売られた。
 
半面、製薬大手アストラゼネカが1.7%高と堅調。高級衣料バーバリーも1.2%高。通信のBTグループと日用品のレキットベンキーザーはそれぞれアナリストによる投資評価引き上げが好感され買われた。
 
 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 14817.72(+68.78)
29日のドイツ株式指数(DAX)は3日続伸した。終値は前週末と比べて68.78ポイント(0.5%)高の1万4817.72と、終値ベースで過去最高値を更新した。
27日に発表された2021年1~2月の中国の工業企業利益が前年同期に比べ大幅増となり、輸出関連株の比重が大きいドイツ株に買いが広がった。
 
個別では、自動車のBMWは、アナリストが投資判断と株価目標をともに引き上げたことが好感され買われた。
一方、ドイツ銀行は3%超下げた。苦しい運用状況に陥った米投資会社のアルケゴス・キャピタル・マネジメントとの取引に関与しているとの一部報道で、大幅下落で始まった。その後ドイツ銀の関与は少ないと伝わると、下げ幅は縮まった。
 
 
■フランス・パリ株価指数
CAC40 6015.51(+26.70)

 

株ちゃんofficial xはこちら!
目次