一進一退の展開か。

 
9日の日経平均株価は反発。終値は前日比59円高の2万9768円だった。前日の米株高を受けて序盤は大きく買いが先行。一時は350円を超える上げ幅で3万円の大台を回復した。一方、3万円を超えてくるといつものパターンで戻り売りが上値を抑える展開に。国内では新型コロナの感染拡大に歯止めがかからず、来週から東京などに「まん延防止」が適用される状況。景気への懸念が残り上値をより買いにくくさせている。
 
今週は方向感に欠ける展開となった。
強い内容となった米国の3月雇用統計を好感する格好で、週明け5日の日経平均は大幅高となり、節目の3万円を超えてきた。
その後は、上値は重いものの大きくは崩れないといった地合いが続いた。
米国では長期金利に上昇一服感が出てきたが、これを受けて為替市場では円安にも一服感が出てきたことで、グロース・バリュー物色とも手詰まり感が強まった。米国株高を追い風に、9日には再び3万円台に乗せる場面もあったが、上では戻り売りに押されて2万9700円台で終了。
週間では約85円の下落となり、週足では陰線を形成した。
 
来週は、一進一退の展開か。月後半からの決算発表ラッシュを前に、様子見姿勢が強まると考える。
週半ばまでは2月決算銘柄の業績発表がいくつかあり、材料のある銘柄には資金が集中するだろう。週半ばからは米国で金融株を中心に1-3月期の決算が出てくるが、決算反応が良ければ、米国株高継続への期待が日本株の下支えにもなる。
一方、「まん延防止」適用地域の拡大を受けて、新型コロナウイルスの感染動向にはこれまで以上に神経質になると思われる。
強弱材料が入り交じる中、指数の振れ幅は大きくなりそうだ。ただ、先に多くの決算を控える中では、楽観、悲観、どちらに傾いてもそれを修正する動きが出てくると考える。結果、週間では水準は大きく変化しないと予想する。
 
 
■上値・下値テクニカル・ポイント(9日現在)
 
30803.71  ボリンジャー:+3σ(25日)
30490.23  ボリンジャー:+2σ(13週)
30349.98  ボリンジャー:+2σ(25日)
29896.26  ボリンジャー:+1σ(25日)
29832.43  ボリンジャー:+1σ(13週)
29807.95  6日移動平均線
 
29768.06  ★日経平均株価9日終値
 
29687.21  均衡表転換線(日足)
29563.66  ボリンジャー:+1σ(26週)
29511.55  均衡表転換線(週足)
29442.53  25日移動平均線
29396.79  均衡表基準線(日足)
29277.76  均衡表雲上限(日足)
29174.63  13週移動平均線
28988.80  ボリンジャー:-1σ(25日)
28842.75  75日移動平均線
28538.09  均衡表雲下限(日足)
28535.07  ボリンジャー:-2σ(25日)
28516.83  ボリンジャー:-1σ(13週)
28405.52   新値三本足陰転値
 
ローソク足は3万円超まで上ヒゲを伸ばして陰線を引き、上値の重さを再確認する格好となった。終値は3日連続で5日線割れとなり、5日線が下向きに転じたが、25日線は上向きをキープした。一目均衡表では三役好転下の買い手優位の形状を維持。遅行線の強気シグナルはやや増大したが、基準線は3月29日以来の横ばいが続き、もみ合い相場の延長を示唆している。

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