NYダウ237ドル高と6日続伸、半月ぶりに最高値を更新

 
8日のNYダウ工業株30種平均は6日続伸し、前週末比237ドル52セント(0.8%)高の3万1385ドル76セントと、3週ぶりに過去最高値を更新した。
米国の追加経済対策が早期に成立し、景気回復を後押しするとの期待から買いが優勢だった。経済対策の恩恵を受ける景気敏感株の上昇が目立った。
 
米議会上下両院は5日、政権が提示した大型経済対策の法案作りに向けた予算決議を可決。与党民主党単独での対策実現に道が開かれ、景気回復への楽観的な見方が広がる中、ダウは終日堅調な展開を維持した。
 
また、イエレン米財務長官は7日、政権が目指す大型追加経済対策が成立すれば「2022年に完全雇用に戻る」と予想。この発言も地合いを強めたもようだ。
8日は米主要経済指標の発表もなく、手掛かり難となる中、業種別では原油高を眺めてエネルギーが特に堅調な値動きを示した。金融、ITも買われたが、公益事業は軟調だった。
 
経済対策案に空運会社への新たな支援も含まれる見通しと伝わり、デルタ航空やユナイテッド航空ホールディングスなど空運株が軒並み大幅高となった。ダウ平均の構成銘柄では景気敏感株の上げが目立ち、金融のゴールドマン・サックスや建機のキャタピラー、航空機のボーイングが買われた。
 
米原油先物相場が昨年1月以来の高値に上昇し、石油のシェブロンは2%強上昇。今週に決算発表を控える銘柄にも好業績を期待した先回りの買いが入り、映画・娯楽のウォルト・ディズニーは5%高、ネットワーク機器のシスコシステムズは2%高で終えた。
 
ダウ平均は伸び悩む場面もあった。前週は1165ドル上昇し、週間の上げ幅としては昨年11月上旬以来の大きさとなった。目先の利益を確定する売りが出た。前週末に買いが目立ったスポーツ用品のナイキが安い。スマートフォンのアップルとソフトウエアのマイクロソフトは小幅高で終えたが、取引時間中は下げる場面が多かった。
 
ナスダック総合株価指数は3日続伸し、前週末比131.346ポイント(0.9%)高の1万3987.642と過去最高値を更新した。8日に15億ドルの暗号資産(仮想通貨)ビットコインの購入を明らかにした電気自動車のテスラが買われた。ビットコイン関連のサービス拡大に注力する決済サービスのペイパル・ホールディングスが大幅高となった。半導体関連株も軒並み高い。
 
S&P500種株価指数は6日続伸し、前週末比28.76ポイント(0.7%)高の3915.59と過去最高値で終えた。
 
 
NYダウ工業株30種(ドル)
31,385.76+237.52
S&P500種
3,915.59+28.76
ナスダック
13,987.642+131.346
NY金(ドル/トロイオンス)
1,834.20+21.20
NY原油(ドル/バレル)
58.10+1.25
円・ドル
105.20 – 105.25-0.28
 
 


【シカゴ日本株先物概況】

8日のシカゴ日経平均先物は大幅に続伸した。
3月物は前週末比650円高の2万9435円で引け、8日の大取終値を25円上回った。
8日の大阪取引所で米経済対策の早期成立への期待から上昇した地合いを引き継いだ。
イエレン財務長官は「1.9兆ドルの追加経済対策が成立すれば、来年には完全雇用に戻る」と議会に成立を促した。原油高や新型コロナウイルスワクチンの接種が進んでいること、国内での新型コロナの感染拡大が鈍化傾向にあることも支援し、終日堅調に推移した。主要株式指数は史上最高値を更新し終了した。経済対策の成立期待から米株が続伸したことも日経平均先物の買いを支えた。
 
この日の3月物高値は2万9530円、安値は2万8805円。
 
 
シカゴ日経225先物3月限 (円建て)
29435 ( +25 )
シカゴ日経225先物3月限 (ドル建て)
29445 ( +35 )
( )は大阪取引所終値比
 
 

【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 6523.53(+34.20)
8日のFTSE100種総合株価指数は資源株主導で4営業日ぶりに反発した。前週末の終値に比べ34.20ポイント(0.5%)高の6523.53で引けた。構成銘柄の半数以上が上昇した。
午前はジリ高となり、正午前に6567.70の高値を付けた。午後は同水準でしばらく横ばいを続けた後、終盤に売りが出た。
石油株などの主力株が相場の上げをけん引した。引けにかけて一部に利益確定の売りが出て上げ幅を縮めた。原油と金属相場の上昇を追い風に、石油株と鉱業株が高かった。
 
個別銘柄では、ロシアの鉄鋼大手エブラズやアングロ・アメリカン、石油のBPなどの上昇率が高かった。産銅大手アントファガスタと英産業用ソフトウエアのアベバグループはそれぞれ3.4%高だった。銀行株も上げた。欧州の長期金利上昇を背景に金利の先高観を意識した買いが入った。
 
一方、午前は上げていた銀行のHSBCホールディングスや金鉱のフレスニージョ、保険株の一角が利益確定の売りで下落した。WMモリソン・スーパーマーケッツなど小売株への売りが目立った。スポーツ関連小売りのJDスポーツ・ファッションも安かった。
 
 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 14059.91(+3.19)
8日のドイツ株式指数(DAX)は小反発した。終値は前週末と比べて3.19ポイント高の1万4059.91だった。イタリア株高が波及し、取引時間中に過去最高値(終値ベース)を上回る場面もあったが、引けにかけて上げ幅を縮小した。
 
個別銘柄では、半導体のインフィニオンテクノロジーズが高かった。ドイツ銀行も上げた。債券市場での金利上昇を受けて利ざや改善を見込んだ買いが入った。電力のRWEが安かった。同業のエーオンも連れ安した。
 
 
■フランス・パリ株価指数
CAC40 5686.03(+26.77)
 

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