もみ合い展開か

 
日経平均は4日続伸。57円高(2万9562円)と値幅はそれほど出なかったが、前引けや大引けの間際に買いが入っており、売りづらさが強烈に印象づけられた。
連日の昨年来高値更新となった。
前日の米国株が反落したことや為替が円高に振れたことで序盤は目先筋の手じまい売りが優勢となった。3万円の大台も視野に入る状況で高値警戒感もそれなりに意識されている様子。一方、中長期的な先高観から下値ではすかさず押し目買いが入ってきて中頃からはじわりとプラス圏へ浮上。買い遅れていた向きの買いなどで結局は全指数が続伸する強さとなっている。
注目されたトヨタ自動車の決算発表は午後1時25分に開示されたが、21年3月期の営業利益について従来計画の1兆3000億円から2兆円(前期比17%減)に大幅上方修正した。ある程度は予想されていたが、マーケットがこれをどう評価するかに注目が集まった。結果的にはこの上方修正は素直に評価される形で、発表直後に同社の株価は256円高の8250円に買われ、この日の高値をつけた。
 
12日日経平均株価はもみ合い展開か。3万円大台を意識しつつも、直近4連騰(合計1220円上昇)による短期的な過熱感や高値警戒感が続き利益確定売りが出やすい半面、根強い買いが続き、売買が交錯する可能性がある。
あすは休場。決算発表は15日(月)でほぼ出そろうことから、来週は市場エネルギーの低下も予想される。
しかし、このタイミングでマザーズ指数や任天堂が大幅高となっており、バリューからグロースへのバトンがうまくつながりそうな雰囲気が出てきている。
12日、15日もまだまだ注目度の高い企業の決算は多く、休場明けの大崩れは想定しづらい。むしろ、米国株の堅調が続くようなら、週末にかけてもう一段の上昇も期待できる。多くの市場参加者が注目する「日経平均3万円」が、アッサリ達成されるかもしれない。
 
 
 
■上値・下値テクニカル・ポイント(10日現在)
 
30825.47  ボリンジャー:+3σ(13週)
30138.91  ボリンジャー:+3σ(25日)
29927.11  ボリンジャー:+2σ(26週)
29723.01  ボリンジャー:+2σ(13週)
29583.99  ボリンジャー:+2σ(25日)
 
29562.93  ★日経平均株価10日終値
 
29037.50  6日移動平均線
29029.06  ボリンジャー:+1σ(25日)
28620.55  ボリンジャー:+1σ(13週)
28607.78  均衡表転換線(日足)
28474.14  25日移動平均線
28293.97  均衡表基準線(日足)
28197.42   新値三本足陰転値
27973.71  均衡表転換線(週足)
27919.21  ボリンジャー:-1σ(25日)
27713.17  ボリンジャー:+1σ(26週)
27518.09  13週移動平均線
27364.29  ボリンジャー:-2σ(25日)
26973.45  均衡表雲上限(日足)
26809.36  ボリンジャー:-3σ(25日)
26683.82  75日移動平均線
26415.63  ボリンジャー:-1σ(13週)
 
ローソク足は4本連続で陽線を引き、昨日の胴体部分が本日の胴体部分に収まる「陽の陽つつみ」を示現した。本日の胴体部分は短いが強気継続を示唆する形状。
一方、25日線との上方乖離率は3.82%(昨日3.97%)に低下したが、東証1部の騰落レシオ(25日ベース)は124.50%(昨日124.11%)に小幅上昇し、依然として過熱感がやや意識される形。一目均衡表(日足)では三役好転後の強気形状をキープしているが、基準線と転換線が横ばいのため、目先は方向感が出にくい足踏み相場となる可能性がありそうだ。
 

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