買い優勢で堅調スタート

【寄り付き概況】

 
 
12日の日経平均株価は小幅続伸して始まった。始値は前営業日比72円95銭高の2万9635円88銭。市場予想を上回る決算発表が相次いでおり、企業業績の改善を好感した買いが支援材料となっている。ただ日経平均は直近の4営業日で1200円超上昇していたうえ、3万円の大台が視野に入ってきたとあって利益確定を目的とした売りも出て、一時下げに転じる場面もあるだろう。
 
11日のNYダウは前日比7ドル安と小反落したが、ナスダック指数は上昇し最高値を更新した。東京株式市場は11日が休場だったが、ナスダック指数の上昇などを受け上昇して始まった。また、為替は1ドル=104円70銭前後で推移している。
 
2020年12月期に最終黒字転換したと10日発表したルネサスが大幅高となるなど、業績改善を手掛かりにした物色が続いている。来週にも国内でワクチンの接種が始まる見通しで、経済活動が次第に正常化するとの期待も支えだ。
 
ただ買い一巡後の上値は重い。日経平均は直近の4営業日で1200円超上昇していた。日経平均は米追加経済対策などへの期待を背景に、3万円の大台が視野に入っており、目先は高値警戒感からの売りも出やすくなっている。米ダウ工業株30種平均の上値追いが鈍っているのも重荷だ。
 
11日には東京五輪・パラリンピック大会組織委員会の森喜朗会長が、女性蔑視と受け取れる自身の発言を巡って辞任の意向を固めたと伝わった。
 
市場では「開催に強い意欲を示していた森氏の辞任で、開催判断に影響が出る可能性がある」との見方もあった。ただ、かねて予定通りの開催を危ぶむ声はあり、相場の反応は限られている。
 
株価指数オプションとミニ日経平均先物2月物の特別清算指数(SQ)算出に絡む現物株売買もあった。QUICK試算でのSQ値は2万9718円77銭だった。
 
JPX日経インデックス400と東証株価指数(TOPIX)は小幅に上昇して始まったが、いずれも下げに転じている。
 
寄り付き時点で業種別では33業種中、22業種が高く、値上がりはゴム、紙パ、その他製品、証券、保険、海運など。値下がり上位に非鉄、石油、建設など。
 
個別ではトヨタやデンソー、東エレク、アドバンテス、信越化が高い。アドテスト、ファーストリテ、富士通やコマツも買われている。
 
一方、日産自が売られている。郵船や商船三井、旭化成やクラレも安い。ソフトバンクG、ソニー、オムロンがさえない。
 

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