NYダウ続伸424ドル高、最高値 ワクチン普及期待

 
24日のNYダウ工業株30種平均は4日続伸し、前日比424ドル51セント高の3万1961ドル86セントと1週間ぶりに過去最高値を更新した。新型コロナウイルスワクチンの普及で経済が正常化するとの期待から、景気敏感株を中心に買われた。
 
朝方は、米長期金利の上昇で割高感が強まっているハイテク株を中心に、株売りが先行して取引が始まった。ダウ平均は一時110ドル超下落した。債券市場では、長期金利が一時1.43%まで上昇した。スマートフォンのアップルなど高PER(株価収益率)の主力ハイテク株が売られ、相場の重荷となった。
 
パウエルFRB議長が米議会下院金融サービス委員会の公聴会で、2%のインフレ目標達成には「3年以上かかるかもしれない」との認識を示し、金融緩和の長期化を示唆。景気回復やバイデン政権による大型経済対策により、インフレが加速し、FRBが早期に金融緩和縮小に動くとの観測を打ち消した。
市場には安心感が広がり、景気変動の影響が大きい銘柄を中心に買いが優勢となった。上昇に転じたダウ平均は、一時3万2000ドルを初めて突破した。長期金利も1.3%台に低下した。
 
米食品医薬品局(FDA)は24日、医薬・日用品のジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)が開発するコロナワクチンについて「1回の接種でも高い効果がある」として緊急使用を支持した。米国ではコロナの新規感染者数が減少傾向にあり、経済活動を再開する動きも広がっている。
 
旅行需要の回復期待から、ノルウェージャン・クルーズライン・ホールディングスなどクルーズ船やユナイテッド航空ホールディングスなど空運株が高い。航空機需要の回復期待からボーイングは8%上げ、ダウ平均を押し上げた。
 
ニューヨーク原油先物相場が一時63ドル台前半と1年1カ月ぶりの高値を付け、シェブロンなど石油株が買われた。米長期金利の上昇を受け、ゴールドマン・サックスなど金融株も高い。クレジットカードのビザや機械のハネウェル・インターナショナルも買われた。
 
 
ナスダック総合株価指数は3営業日ぶりに反発し、前日比132.768ポイント(1.0%)高の1万3597.966で終えた。インテルなど半導体株が総じて買われ、足元で急落した電気自動車のテスラが6%上げた。ただ、アップルに加え、ネット通販のアマゾン・ドット・コムが1%安となるなど主力ハイテク株の一角は下げた。
 
 
 
NYダウ工業株30種(ドル)
31,961.86+424.51
S&P500種
3,925.43+44.06
ナスダック
13,597.966+132.768
NY金(ドル/トロイオンス)
1,797.90-8.00
NY原油(ドル/バレル)
63.45+1.78
円・ドル
105.84 – 105.91+0.28
 


【シカゴ日本株先物概況】

 
24日のシカゴ日経平均先物は続伸した。3月物は前日比65円高の3万0060円で引け、24日の大取終値を420円上回った。ワクチン普及による米景気回復への期待が広がり、米株とともに買われた。米食品医薬品局(FDA)は24日、医薬・日用品のジョンソン・エンド・ジョンソンが開発したコロナワクチンが緊急使用に有効と判断した。米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長が24日の議会証言で、前日に続き金融緩和の長期化を示唆したことも買いを支えた。
 
この日の3月物高値は3万0120円、安値は2万9610円。
 
 
シカゴ日経225先物3月限 (円建て)
30060 ( +420 )
シカゴ日経225先物3月限 (ドル建て)
30065 ( +425 )
( )は大阪取引所終値比

【欧州株式市場】

 
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 6658.97(+33.03)
24日のFTSE100種総合株価指数は続伸した。前日の終値に比べ33.03ポイント高の6658.97で引けた。構成銘柄の約6割が上昇した。新型コロナウイルスワクチンの普及などを背景に買いが優勢となった。大型株を中心に売り買いが交錯し、前日終値を挟んでの一進一退が続いた。引けにかけて石油株に買いが入り、指数を押し上げた。
 
個別銘柄では、原油相場の急伸を受けて、石油大手BPが5.4%の大幅高。ロイヤル・ダッチ・シェルも高かった。鉱業株の一部と医薬品のヒクマ・ファーマシューティカルズは買い戻された。銀行株は全銘柄が上昇。欧米の長期金利上昇を背景に利ざや拡大を見込んだ買いが入った。航空機エンジンのロールス・ロイスなど空運株も上げた。
 
半面、ポンド高が収益の重荷になる食品・日用品のユニリーバやたばこ株が下落した。携帯電話サービスのボーダフォン・グループの下げが目立った。
 
 
 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 13976.00(+111.19)
24日のドイツ株式指数(DAX)は3日ぶりに反発した。終値は前日と比べて111.19ポイント(0.8%)高の1万3976.00だった。
朝方に発表されたドイツの2020年10~12月期の実質国内総生産(GDP)改定値が速報値から上方修正された。投資家心理が上向き買いが優勢だった。
 
個別では、航空エンジン大手のMTUエアロ・エンジンズとハイデルベルクセメントが高かった。それぞれアナリストが目標株価を引き上げたことが手掛かりになった。ドイツ銀行も上げた。料理宅配大手のデリバリーヒーローへの売りが続いた。電力株も軟調だった。
 
 
■フランス・パリ株価指数
CAC40 5797.98(+18.14)
 

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