484円高と大幅高、米株高好感し買い戻し

25日午前の日経平均株価は大幅に反発し、前日比484円78銭高の3万0156円48銭で終えた。
きょう前場の東京株式市場は前日とは打って変わり、リスク選好ムードのなか主力株をはじめ広範囲に買いを呼び込む形となった。前日の米国株市場でNYダウが大幅高で最高値を更新したほか、ここ調整色をみせていたナスダック総合指数も切り返しに転じたことで投資家心理が改善した。円安・ドル高の進行もあって景気敏感株を中心に幅広い銘柄に買いが入り、上げ幅は一時500円を超えた。
 
米食品医薬品局(FDA)が24日、米ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)が開発したコロナワクチンについて、効果の高さから緊急使用を支持した。米モデルナは自社のコロナワクチンを大幅増産する方針を打ち出し、経済活動の正常化に向けて前進するとの見方が投資家心理を上向かせた。
 
米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長が24日の議会証言で、量的金融緩和の長期化を改めて強く示唆したことも、米長期金利への懸念を後退させて相場の支援材料となった。
 
景気改善による業績回復期待で、非鉄金属や化学などが上昇した。一方、配当や株主優待の権利落ちにより大手小売株には売りが膨らんだ。
 
市場では米中を中心に景気回復期待が根強いなか「国内企業の業績改善ペースが市場の想定より速く進むことで、株価に一段の上値余地が生じる可能性もある」との声もあった。
 
JPX日経インデックス400と東証株価指数(TOPIX)も大幅反発した。
 
前引け時点の東証1部の売買代金は概算で1兆4007億円、売買高は7億2368万株だった。東証1部の値上がり銘柄数は1546と、全体の約7割を占めた。値下がりは545銘柄、変わらずは101銘柄だった。
 
 


業種別株価指数(33業種)は、その他製品、ゴム製品、金属製品の上昇が目立った。下落は小売業の1業種だった。
 
個別銘柄では、ソフトバンクG、ファーストリテ、エムスリー、丸紅、三井物が値を上げ、エプソンやコニカミノルが買われたほか、三菱UFJ、UMCO、ファナック、任天堂、ソニー、東エレク、トヨタ、ブリヂストンも上昇した。
 
半面、イオン、7&iHDは軟調、Jフロントや高島屋も下げた。ANA、H.I.S.、マネックスGもさえない。スズキが売られ、テルモ、中外薬も値を下げた。
 
 
東証2部株価指数は前日比31.52ポイント高の7401.89ポイントと反発した。
値上がり銘柄数は278、値下がり銘柄数は136となった。
 
個別では石井食品、旭コンクリート工業、キクカワエンタープライズ、兼松エンジニアリング、カンダホールディングスなど7銘柄が昨年来高値を更新。加地テック、フュートレック、ユニバンス、アルメタックス、アルメディオが買われた。
 
一方、バリオセキュアが昨年来安値を更新。セーラー万年筆、ワイズテーブルコーポレーション、リミックスポイント、マックスバリュ東海、マックスバリュ西日本が売られた。

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