NYダウ3日続伸、ナスダックは急反発

 
9日のNYダウ工業株30種平均は3日続伸し、前日比30ドル30セント(0.1%)高の3万1832ドル74セントで終えた。
長期金利の指標である10年物米国債利回りの上昇ペース加速が嫌気され、低金利を背景に買われてきたハイテク銘柄の割高感が最近強まっていた。だが、この日は長期金利上昇が一服する中、売り込まれていたハイテク株に買いが入った。
 
長期金利は朝方に前日比0.07%低い1.52%を付けた。これを受けてグロース株買いが鮮明となり、スマートフォンのアップルが4%上昇。ソフトウエアのマイクロソフトも3%上げた。ダウ平均の構成銘柄以外では電気自動車のテスラが20%高と相場上昇をけん引。半導体のエヌビディアは8%高、ビデオ会議システムのズーム・ビデオ・コミュニケーションズも10%高と急騰した。
 
ダウ平均は一時347ドル高と過去最高値まで上昇したが、取引終了にかけて伸び悩んだ。3月は四半期末を控えた機関投資家の株売り・債券買いの持ち高調整が入りやすいとの見方がある。こうした機械的な売りが取引終了にかけて出た可能性がある。
 
ナスダック総合株価指数は大幅反発し、前日比464.664ポイント(3.7%)高の1万3073.825で終えた。上昇率は今年最大だった。
 
前週末に米上院で可決した1.9兆ドル規模の追加経済対策は下院での再審議を経て、14日までに成立する見込み。1人当たり最大1400ドルの現金給付など即効性のある政策が大半を占める。「3~4月の個人消費はかなり強含む」との見方からホームセンターのホーム・デポや小売り大手のウォルマートなど小売り株も買われた。
 
経済協力開発機構(OECD)は9日、21年の世界の実質経済成長率が5.6%になるとの予測を発表した。新型コロナウイルスのワクチン普及や米国の追加経済対策の効果を見込み、昨年末時点から1.4ポイント上方修正した。世界経済の順調な回復が進むとの期待も買い材料になった。
 
 
 
NYダウ工業株30種(ドル)
31,832.74+30.30
S&P500種
3,875.44+54.09
ナスダック
13,073.825+464.664
NY金(ドル/トロイオンス)
1,716.90+38.90
NY原油(ドル/バレル)
63.82-1.23
円・ドル
108.48 – 108.52-0.32
 

 


【シカゴ日本株先物概況】

シカゴ日経225先物3月限 (円建て)
29215 ( +145 )
シカゴ日経225先物3月限 (ドル建て)
29220 ( +150 )
( )は大阪取引所終値比

【欧州株式市場】

 
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 6730.34(+11.21)
9日のFTSE100種総合株価指数は小幅に続伸した。前日の終値に比べ11.21ポイント(0.2%)高の6730.34で引けた。午後に一時下げに転じる場面もあった。
指数構成銘柄の約7割が値上がり。資源株や銀行株は売られた。
世界経済回復への期待感から買いが優勢だった。医薬品株や小売株などに買いが入った一方で、銅価格の下落を受けて鉱業株が売られ、指数の上値を抑えた。
 
個別銘柄では、投資関連のM&Gは、2020年12月期の業績が市場予想を上回ったことが好感され大幅高だった。アナリストが株価目標を引き上げた小売りのキングフィッシャーは4.3%高だった。金価格の上昇で、メキシコ産金大手フレスニロは3.7%高、英不動産サイト大手ライトムーブは3.6%高だった。
 
一方、鉱業のアングロ・アメリカンは大幅安だった。資産運用のスタンダード・ライフ・アバディーンは、20年12月期の減益と減配を発表し7%超下げた。午前の株価指数上昇を主導した石油株は、午後に原油相場が下落に転じると売られた。
 
 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 14437.94(+57.03)
9日のドイツ株式指数(DAX)は続伸した。終値は前日と比べて57.03ポイント(0.4%)高の1万4437.94と、連日で過去最高値(終値ベース)を更新した。
米欧で金利上昇が一服したことを受けて借り入れコスト上昇への懸念が後退し、買いが広がった。
 
個別では、ドイツポストが買われた。2020年12月期の好決算を発表し、中期的な業績見通しを引き上げたことが好感された。料理宅配大手のデリバリーヒーローの上げも目立った。半面、20年12月期の減収と赤字を発表したタイヤのコンチネンタルは8%安だった。
 
 
■フランス・パリ株価指数
CAC40 5924.97(+21.98)
フランスは前日に引き続き約1年ぶりの高水準で引けた
 

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