小幅続伸、前日終値近辺でもみ合い

10日午前の日経平均株価は小幅続伸し、前日比12円88銭高の2万9040円82銭で前場を終えた。
米長期金利の低下を受けた前日の米ハイテク株高を支えに買いが入った。朝方には上げ幅を200円超に広げる場面もあった。ただ、金利の先行きに対しては様子見姿勢の市場参加者も多い。
前場は強弱感が対立し、日経平均は前日終値近辺で方向感なくもみ合う展開となった。前日の米国株市場では半導体関連などを中心にハイテクセクターが買われ、ナスダック総合指数が大幅高で切り返したことで買い安心感が台頭している。
ただ、これまで買われていた景気敏感セクターに利益確定の売りが出たほか、半導体関連株も安い銘柄が散見されるなどで、全体指数も上値の重い展開となっている。前引け時点では日経平均はわずかにプラス圏で着地したが、値下がり銘柄数が値上がり数を大幅に上回った。
 
きょうはファナックが日経平均の下支え役となった。中国などでの設備投資が旺盛なことがあらためて意識され、買いが集まった。ソニー、アドテストなども上昇した。
 
市場関係者は、過度な米長期金利の上昇に対しては警戒感が和らいでいるとはいえ、現地時間10日に米10年物国債の入札が予定され、結果次第では再び金利が上昇を試すという見方もある。
「ハイテク株に対しても資金流出懸念が根強いなかで、循環物色の色彩が濃くなっている」という声が出ていた。このところ上昇の目立っていた景気敏感株でも、陸運や空運が上昇する一方で鉱業や鉄鋼などは下げるなどまちまちだった。
 
JPX日経インデックス400と東証株価指数(TOPIX)は小幅ながら続伸した。前引け時点の東証1部の売買代金は概算で1兆3766億円、売買高は7億985万株だった。東証1部の値上がり銘柄数は835と、全体の38%だった。値下がりは1259、変わらずは99銘柄だった。
 


業種別株価指数(全33業種)は電気機器、医薬品、その他製品などが上昇し、小売業、輸送用機器、銀行業は下落した。
 
個別では、任天堂がにぎわい、ソニー、日本電産は上伸した。キーエンスが強含み、ファナックは大幅高。NTT、KDDIも値上がりした。武田の買いが厚く、テルモ、デンソー、ダイキンが上昇した。
 
半面、ソフトバンクGが売りに押され、ファーストリテ、京セラも値下がりした。三菱UFJ、三井住友は軟調。トヨタ、ホンダ、日産自も下げた。エムスリーは下げ足を速めた。
 
 
東証2部株価指数は前日比1.48ポイント安の7345.16ポイントと反落した。
出来高1億2548万株。値上がり銘柄数は226、値下がり銘柄数は160となった。
 
個別では倉庫精練、ビート・ホールディングス・リミテッド、リミックスポイント、千代田化工建設、ヒラノテクシードが売られた。
 
一方、ユニバンスが一時ストップ高と値を飛ばした。フジ日本精糖、サトウ食品、ソフト99コーポレーション、ミズホメディー、川岸工業など8銘柄は昨年来高値を更新。光陽社、Jトラスト、黒田精工、パシフィックネット、リバーホールディングスが買われた。
 
 

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