午前終値99円安 コロナ警戒で一時400円下げ

大発会の4日午前の日経平均株価は続落し、前営業日の2020年12月30日に比べ99円30銭(0.36%)安の2万7344円87銭で終えた。

きょう前場は買い先行で始まり、日経平均が朝方は高く始まったものの、その後は急速に値を消し取引開始10分弱でマイナス圏に沈んだ、更に下げの勢いが強まり、一時下げ幅が400円を超える瞬間もあった。菅首相が東京をはじめ1都3県に緊急事態宣言を発令することを検討していることが伝わり、リスク回避の売りが加速した。

11時から記者会見に臨んだ菅首相は、新型コロナウイルスについて「非常に厳しい状況と認識している」と指摘。そのうえで「緊急事態宣言の検討に入る」と明言した。午前の早い段階で緊急事態宣言を検討するとの観測報道が出ていたこともあり、首相発言後の市場の反応は限定的だった。

日経平均はおよそ30年ぶりの高値圏にあり、これまで値を上げていた銘柄には利益確定の売りが出やすかった。

ただ、2万7000円の節目近くまで下げた後は下げ幅を縮小した。新型コロナのワクチン普及で経済が正常化に復するとの期待は根強く、下値では押し目買いも入りやすかった。

JPX日経インデックス400と東証株価指数(TOPIX)はいずれも続落した。前引け時点の東証1部の売買代金は概算で1兆787億円、売買高は5億4066万株だった。東証1部の値下がり銘柄数は1694、値上がりは420、変わらずは70だった。


 

業種別株価指数(全33業種)は電気機器、銀行業、陸運業などが下落し、情報・通信業と電気・ガス業は上昇した。

個別では、任天堂が売りに押された。トヨタ、日産自が下落し、三越伊勢丹、Jフロント、高島屋など小売株が売られたほか、小田急、京成、JR東日本など鉄道株も安かった。キヤノンやコニカミノル、エプソンといった電気機器の一角が軟調だった。

半面、エムスリーが高い。NTTやZHD、ソフトバンク(SB)など情報・通信株の一角が買われた。

東証2部株価の指数は前営業日比8.75ポイント高の6579.66ポイントと反発。出来高1億0584万株。値上がり銘柄数は149、値下がり銘柄数は254となった。

個別ではツインバード工業がストップ高。Abalance、神島化学工業、日本精鉱、マックスバリュ西日本、堺商事は昨年来高値を更新。ナガホリ、天昇電気工業、ジー・スリーホールディングス、ショクブン、ストリームが買われた。

一方、サイバーステップ、理研コランダム、SANEI、フジコピアンが昨年来安値を更新。グローバルダイニング、鉄人化計画、タビオ、イクヨ、浅香工業が売られた。

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