4日のNYダウ工業株30種平均は3営業日ぶりに反落し、前営業日の昨年12月31日に比べ382ドル59セント(1.3%)安の3万0223ドル89セントで終えた。5日のジョージア州の上院決選投票を前に持ち高調整や利益確定の売りが優勢となった。新型コロナウイルスの感染拡大も投資家心理を冷やした。
上院の2議席をめぐる決選投票がジョージア州で5日、行われる。共和党が少なくとも1議席を確保し、上院で多数派を維持すれば、規制強化や増税を掲げるバイデン次期大統領の政権運営の自由度が狭まり、株価には追い風になるとみられている。ただ、選挙は接戦が予想され、市場は結果を注視している。
日系証券関係者は、昨年11月の大統領・上下両院選後には、全ての選挙で民主党が勝利する「ブルーウェーブ」の可能性がなくなったとの見方から、株価が上昇したと指摘。このため、上院でも民主党が多数派となれば、「巻き戻しの売りが出る可能性がある」と指摘した。ダウ平均は過去最高値で昨年の取引を終えており、選挙の不透明感から売りが優勢となった。
また、米国では新型コロナの感染拡大が続き、新規感染者数は2日に30万人近くに達して過去最多を更新した。新型コロナのワクチン供給が遅れていると報じられたことも相場の重荷だった。ダウ平均の下げ幅は一時700ドルを超えた。
アナリストの投資判断引き下げが伝わった航空機のボーイングと飲料のコカ・コーラも下落。スマートフォンのアップルや映画・娯楽大手のウォルト・ディズニー、化学のダウも売られた。
ただ、下値では買いも入り、ダウ平均は午後にじわりと下げ幅を縮める展開。ワクチン普及や米連邦準備理事会(FRB)によるゼロ金利政策の継続で、今年の株高を予想する声は多い。
ハイテク比率が高いナスダック総合株価指数は3営業日ぶりに反落し、前営業日比189.835ポイント(1.5%)安の1万2698.447で終えた。ソフトウエアのマイクロソフト、ネット通販のアマゾン・ドット・コムなど主力ハイテク株が下げた。
【シカゴ日本株先物概況】
4日のシカゴ日経平均先物は反落した。
3月物は前週末比410円安の2万7100円で引けた。4日の大取終値を220円下回った。4日の市場でNYダウ工業株30種平均が下落したことを嫌気し、日経平均先物にも売りが支配的となった。
シカゴ日経225先物3月限 (円建て)
27100 ( -220 )
シカゴ日経225先物3月限 (ドル建て)
27125 ( -195 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
◼️イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 6571.88(+111.36)
4日のFTSE100種総合株価指数は3営業日ぶりに反発した。前営業日である2020年12月31日の終値に比べ111.36ポイント(1.7%)高の6571.88で引けた。
英国が12月31日に欧州連合(EU)を完全に離脱後、最初の商い。懸念された物流や金融サービスの大きな混乱もなく、スムーズな移行が好感された。英製薬大手アストラゼネカなどが開発した新型コロナウイルスワクチンの接種が英国内で4日始まったことも、相場の押し上げ要因となった。
FT指数は取引時間中、一時3.1%高まで買われた。構成銘柄の約7割が上昇した。鉱業株の上昇が株価指数の上げに大きく影響した。
個別では、ギャンブル事業のエンテインは25%高と急騰した。米国のカジノ運営会社から買収提案があったと発表し、買い材料となった。金価格の上昇を背景に、関連のフレスニージョは10%高、ロシアの金銀生産大手のポリメタル・インターナショナルは9%高とそれぞれ買われた。
一方で、航空機エンジンのロールス・ロイスは7%安と目立った。スポーツ関連小売りのJDスポーツ・ファッションは、アナリストが株価目標を引き下げたことが響いて大幅に下落した。
◼️ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 13726.74(+7.96)
4日のドイツ株式指数(DAX)は3営業日ぶりに小反発した。終値は前営業日である2020年12月30日と比べて7.96ポイント(0.1%)高の1万3726.74だった。
午前は、英国と欧州連合(EU)の将来関係を巡る交渉が昨年末に合意したことや、新型コロナウイルスワクチンの普及を期待した買いが広がった。午後に米国株が下がって始まると、ドイツ株も上げ幅を縮小した。
個別では、料理宅配大手のデリバリーヒーローは7%超上昇した。アナリストによる株価目標引き上げなどが好感された。電力のRWEの上げも目立った。半面、タイヤのコンチネンタルは売られた。
◼️フランス・パリ株価指数
CAC40 5588.96(+37.55)
