NYダウ300ドル高、金融市場混乱への警戒感

 

28日のNYダウ工業株30種平均は反発した。前日比300ドル19セント(1.0%)高の3万0603ドル36セントで終えた。
前日にダウ平均が633ドル安で引けたことを受けて安値拾いの買いが入り、この日の相場は終日プラス圏で推移した。ダウの上げ幅は一時600ドルを超えた。
ここ数日急騰していた米ゲームソフト販売大手ゲームストップなどの銘柄に対し、オンライン証券などが取引制限を導入。投機資金の流入による株価変動への警戒感が後退したことも、投資家心理を支えた。
 
米証券取引委員会(SEC)は27日、「オプションや株式市場でみられる乱高下を監視している」との声明を公表した。株式取引アプリのロビンフッドなど複数のネット証券が28日までに個人の投機的な買いで急騰していた一部銘柄の取引を制限した。ゲーム専門店のゲームストップ株が4割強下げるなど、対象銘柄は急落した。
 
前日に売られた半導体のインテルと映画・娯楽大手のウォルト・ディズニーが大幅に上昇し、ダウ平均を押し上げた。米長期金利が上昇し、JPモルガン・チェースなど金融株も買われた。米連邦準備理事会(FRB)の超金融緩和が続く中では株式市場への強気の見方は崩れず、前日の大幅下落を受けて長期的な株高を見込んだ買いも入ったとみられる。
 
朝方発表された最新週の新規失業保険申請件数が84万7000件と、2週連続で改善し、市場予想を下回ったことも相場を下支え。米企業の2020年10~12月期決算の大半が市場予想を上回っていることも、相場を支援した。調査会社リフィニティブによれば、決算発表を済ませた主要企業159社のうち83%が市場予想を上回った。
 
一方、27日夕に市場予想を上回る好決算を発表したスマートフォンのアップルは4%安で終えた。決算発表前に期待先行で買われていたため、材料出尽くしの売りが出た。指数全体の上値を抑えた。工業製品・事務用品のスリーエム(3M)も下げた。
 
投資家心理を測る指標となる米株の変動性指数(VIX)は前日比2割近く下げ、30強で終えた。もっとも、不安心理が高まった状態とされる20は大幅に上回っている。
 
ナスダック総合株価指数は反発した。前日比66.560ポイント(0.5%)高の1万3337.158で終えた。マイクロン・テクノロジーなど半導体株が買われた。半面、27日夕に発表した決算で1株利益が市場予想に届かなかった電気自動車のテスラは売られた。SNS(交流サイト)のフェイスブックも安い。
 
 
NYダウ工業株30種(ドル)
30,603.36+300.19
S&P500種
3,787.38+36.61
ナスダック
13,337.158+66.560
NY金(ドル/トロイオンス)
1,844.90-6.00
NY原油(ドル/バレル)
52.09-0.76
円・ドル
104.20 – 104.27-0.10
 
 


【シカゴ日本株先物概況】

28日のシカゴ日経平均先物は反発した。3月物は前日比215円高の2万8395円で引け、28日の大取終値を345円上回った。
金融市場混乱への警戒感が後退し寄り付きから上昇した。投機色の後退で投資家の恐怖指数であるVIX指数も低下し、終日堅調に推移した。米株式市場で個人投資家による一部銘柄の投機的な取引が制限され、買い安心感が広がった。
 
この日の3月物高値は2万8520円、安値は2万7810円。
 
 
シカゴ日経225先物3月限 (円建て)
28395 ( +345 )
シカゴ日経225先物3月限 (ドル建て)
28410 ( +360 )
( )は大阪取引所終値比

【欧州株式市場】

 
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 6526.15(-41.22)
28日のFTSE100種総合株価指数は続落した。前日の終値に比べ41.22ポイント(0.6%)安の6526.15で引けた。構成銘柄の約6割が下落した。
この日のFT指数は安寄り後に一段安となり、序盤で昨年末以来1カ月ぶり安値となる6439.55を付けた。ただ、その後は買い戻しが入って6500台を回復。午後には高寄りした米株価を眺めて6550近辺に値を戻す場面もあった。
アジア市場の株安が波及し、売りが優勢で始まった。午前には前日終値比で2%近く下げる場面があった。午後は割安感に着目した買いが入り下げ幅を縮小した。
 
個別銘柄では、保険のプルーデンシャルが大幅安で引けた。米生命保険事業の新規株式公開(IPO)中止を表明したことなどが材料になった。同業の英アビバなどが連れ安した。石油株や医薬品株、たばこ株など多国籍企業銘柄の売りも目立った。英オンライン食品販売オカド・グループは3.5%安、会計ソフト大手セージは3.0%安だった。
 
一方、前日下落した鉱業株と銀行株は値ごろ感から買い戻された。なかでも前日に急落したフレスニージョが6.4%高と急反発。売りが続いていたインターナショナル・エアラインズ・グループ(IAG)も4.7%高と上げた。スイス資源大手グレンコアは4.6%高、鉱業大手アングロ・アメリカンは3.9%高、英金融大手M&Gは3.4%高と買われた。
 

 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 13665.93(+45.47)
28日のドイツ株式指数(DAX)は反発した。終値は前日と比べて45.47ポイント(0.3%)高の1万3665.93だった。
午前は売りが優勢だった。午後に入りイタリアなど南欧株の持ち直しや米株高を手掛かりにドイツ株も上昇した。前日に大幅下落したため買いが入りやすかった。
 
個別では、ミュンヘン再保険は、アナリストが目標株価を引き上げたことから高くなった。半導体のインフィニオンテクノロジーズの上げも目立った。半面。料理宅配大手のデリバリーヒーローは3日続落した。アナリストが目標株価を引き下げたアディダスも安かった。
 
 
■フランス・パリ株価指数
CAC40 5510.52(+50.90)
 

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